犯罪・刑事事件の解決事例
#詐欺 . #加害者

特殊詐欺の「受け子」の役割を果たした被疑者(被告人)の弁護人として,①被害弁償活動を行い,②起訴後,保釈決定を得たうえで,③執行猶予の判決を獲得した事例

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上月 裕紀 弁護士が解決
所属事務所うららか法律事務所
所在地埼玉県 さいたま市大宮区

この事例の依頼主

20代 男性

相談前の状況

相談者は,高齢者に対する組織詐欺の関与者として,騙された高齢者から現金を受け取る,いわゆる「受け子」の役割を果たしたことを理由として,警察署に勾留中の状態でした。

解決への流れ

弁護人として選任されたあと,相談者の親族に連絡をとり,被害弁償金を用意したうえで,担当の警察署・担当の検察官に事情を説明し,被害者に被害金の弁償を行いました。被害額が多額だったので,相談者の親族が被害弁償金を用意し,弁償活動を完了する前に,被疑者は起訴されていたので,保釈請求を行いました。そして,公判では,組織犯罪に関与したことを真摯に反省したこと,きちんと被害弁償を済ませていること等を述べた結果,執行猶予判決を獲得することができました。

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上月 裕紀 弁護士からのコメント

電話やメール,インターネット等を用いて直接対面せずに,不特定多数の人を騙して金銭を詐取する組織犯罪は,特定の相手を対面で騙す通常の詐欺行為とは異なるので,「特殊詐欺」と呼ばれることがあります。電話などで親族を装い現金を要求する「オレオレ詐欺」やインターネットサイトを利用したと言って,その利用料を請求する「架空請求詐欺」などがその代表例です。近年,特殊詐欺は,「還付金詐欺」や「融資保証金詐欺」などのその方法が多種多様で,かつ,その手口が年々悪化していることから,厳罰傾向にあります。そのような組織犯罪に関与してしまった場合,末端の関与者であったとしても,その責任は首謀者と同等であることに加えて,首謀者の検挙に繋がらないことが多いため,末端の関与者が,自ら全ての被害弁償を行う必要があることが多くあります。往々にして特殊詐欺は被害金額が大きく,適正に被害弁償活動を行わないと,前科・前歴がなくても,実刑判決となることもあるので,早期に適切な弁償活動に着手することが大切であると考えます。