この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
路上で買い物帰りの母親が刺殺されて財布を奪われた事案のご家族からのご相談。最初は、家族が犯人として疑われ、連日の取調べで疲弊し、ネットでも中傷を受け、マスコミにも追い掛け回されている。その後、真犯人が逮捕されたが、警察からは、その後の捜査情報も教えてもらえないが、今後どうしたらよいのかと路頭に迷われてのご相談でした。
解決への流れ
警察がまず身内を疑うのはやむを得ないことなのですが、被害者ご遺族であるのに、本当にお気の毒な状況でした。被害者遺族の支援弁護士として就任し、マスコミに対し、被害者感情に留意して取材を自粛するようお願いをしました。現場確認をして喧嘩し、死後の各手続や、刑事手続の流れ、損害賠償請求の方法などについて説明の上、逐一検察庁と連絡を取りながら、情報を被害者ご遺族に伝達。裁判員裁判に被害者ご遺族と共に出廷し、被害者参加して、被害者ご遺族自ら被告人に質問するお手伝いもさせていただきました。その後、損害賠償命令も得て、犯罪被害者給付金の支給も受けました。
ある日突然、犯罪被害は目の前に訪れます。その犯罪被害者やご遺族を、トータル支援できる仕組みがまだまだ不十分です。お困りの際には、犯罪被害者支援に精通している弁護士に是非ご相談ください。上記被害者ご遺族とは、毎日のように数百件ののぼるメールのやりとりを重ね、ご不安の解消に努めました。事案の終了後しばらくしてから、ご結婚のご報告をいただき、くしゃくしゃになった紙のしわが一つ一つほどけていく(絶対に元に戻ることのない傷跡を被害者ご遺族に永久に残すことになります)過程を少しでも見守ることができ、安堵した瞬間でした。