犯罪・刑事事件の解決事例
#加害者 . #覚醒剤・大麻・麻薬

【同種前科ある者が大麻・覚せい剤取締法違反により逮捕・起訴され、保釈中に入院して依存症治療を受け、全部執行猶予となった事案】

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中村 浩士 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人シティ総合法律事務所
所在地北海道 札幌市中央区

この事例の依頼主

40代

相談前の状況

国選弁護人が当初就いていましたが、再犯防止を願う家族及び職場雇用主が私を探してくれ、相談を受け、薬物犯罪は、「わかっちゃいるけどやめられない」、依存の極めて根強い犯罪で、確実に繰り返されることを正しく理解した上で、「条件反射制御法」による依存症治療の専門医の治療を受けて、依存症からの脱却を目指すことが何よりも重要であることを説明し、弁護人に就任しました。

解決への流れ

上記の必要性を裁判所に具体的に丁寧に説明をして理解を得て、保釈を認めてもらい、保釈後直ちに札幌の専門病院に通院してもらいながら、道外の依存症治療の専門病院での入院の空きを待ちました。空いた段階で入院してもらって入院治療を施し、病院からの外出許可を得て裁判を受けました。裁判では、その治療内容と効果をご本人から説得的に説明してもらい、裁判官も検察官も、聞きなれないお話が多かったのか、メモをかなり取っていたのが印象的でした。結果は、反省の態度と治療の効果への期待から、同種前科がある事例としては異例の、全部執行猶予判決の一審判決が下されました。

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中村 浩士 弁護士からのコメント

薬物犯罪で10年以内に前科がある者が、再び薬物犯罪に手を染めた場合には、原則実刑判決という、厳しい実務運用があります。薬物犯罪は、治らず、必ず繰り返されるという前提認識があるため、再度の執行猶予は極めて得られにくくなっているのです。ただ、薬物に対する正しい知識を醸成して過去を振り返り、自身が薬物依存に陥っていることを正しく理解し、実効性の高い依存症専門治療を真摯に受けて、事後的にでも依存性・常習性を減退させることができ、また、今後一生涯続く治療への家族や職場の深い理解と愛情に基づく支援が得られる環境調整ができた場合には、裁判官の理解を得られることもあります。ただ、勘違いしていただきたくないのは、刑務所に行きたくないから、治療を受けてやったふりをする。このような態度では、簡単に裁判所に見透かされ、相手にはされないという点です。私のところでは、本気で薬物依存から立ち直り、更生を実現したいという強烈な真剣な思いと、それを実現する行動力、そして、家族や職場の支援と深い理解が得られるかを重視しており、その場合には、全力で更生のためのサポートをさせていただいております。罪を免れるため、刑を軽くするためだけの、更生意欲を伴わないご依頼は、本気にはなれませんので、お断りをさせていただいております。「嘘を決してつかない。」、これが、更生支援の最初の約束事となります。そうでないと、更生等、絶対にあり得ません。嘘を並べて、次は見つからないように世渡り上手に自己保身をしていけば良いだけのことですので、支援は不要だと思うからです。他人の人生を否定するつもりも口出しするつもりも全くありませんが、「更生」とは、全く次元の異なる話となってしまうので、そのような方に、時間を削って本気で支援することはできないということになります。本気で更生を願う場合には、是非、ご相談ください。