この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
相談者様は、路上を歩いていた際に警察の職務質問を受けたところ、バッグの中から「炙り」(覚せい剤を火で炙って煙を吸引する摂取方法)に使用するガラスパイプが発見され、さらに警察署に移動した後に行われた尿検査で覚せい剤の陽性反応が出たことから逮捕されてしまいました。逮捕当日、相談者様の妻が弁護士に相談・依頼するに至りました。
解決への流れ
依頼を受けたその日に弁護士が接見に行き、相談者様から、10代の頃に覚せい剤や大麻、コカイン等の違法薬物を使用していたが、成人してからしばらくは使用していなかったこと、数年前に友人に勧められて炙りでの使用を再開し、以降断続的に使用していたことを伺いました。相談者様は20日間の勾留の末に起訴されましたが、同居家族による監視監督が期待できること、相談者様がこれまで安定して就労してきたものであり今後も家族のために仕事に励む意向であること、医療機関の更生プログラムの受講を申し込んだことなどを踏まえ、保釈が認められるとともに、最終的に執行猶予判決を得ることができました。
薬物事犯については、初犯の単純所持や使用であれば執行猶予が付されることが多いですが、油断は禁物であり、きちんと反省を示して、情状面について主張立証を尽くすことが重要です。特に覚せい剤は、その使用方法(炙りによる煙の吸引や、水溶液を注射器で突くことによる摂取など)により程度に差はあるものの、常習化する可能性が高い部類の薬物であり、再犯防止のために、家族など周囲の人に支えてもらうことも重要です。また、営利目的の存否が争われるケースなどは、供述内容やその他の客観証拠の状況により結末が左右され得るので、初動の段階で入念に弁護士と打ち合わせをすることをお勧めいたします。