犯罪・刑事事件の解決事例
#加害者 . #覚醒剤・大麻・麻薬

【ご家族からご依頼を受けた、覚せい剤の密売者の更生支援活動】

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中村 浩士 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人シティ総合法律事務所
所在地北海道 札幌市中央区

この事例の依頼主

30代 男性

相談前の状況

暴力団組織の顧問弁護士からも本人に接触があったが、私の方で接見をして受任することになった。ご本人は、暴力団との関係断絶を望み、交際相手のことがとても大切で、将来結婚をしたいので立派に更生をしたいと強い意向であった。しかし、犯罪の原因の分析に当たっては、「自分には学がないから」「他に仕事はなかったから」「そんなに悪いことばかりではなかった」「周りにも原因がある」等々、言い訳に終始している状況で、「そういう話をする意味はないから帰るわ」「どういうことだ」等々の計画的な喧嘩を交えて、交際相手が私の意図を善解して解説・フォローしつつ、私がまた駄目だしをする、等々のお互いの役割分担を綿密に話し合い、更生支援活動に着手することとした。

解決への流れ

更生支援のために必要な前記同様の様々な書籍や、薬物の影響を正しく理解できる書籍、また、学がない者が様々な工夫をして仕事や社会活動において大きな成功を収めている書籍などを差し入れ、家族、交際相手との面会・文通を繰り返した。また、私自身の犯罪からの脱却、更生の経緯を丸裸で説明し、同じ目線で人の弱さに真摯に向き合い、お互いの人間を知り、一緒に問題点を考え、対策を話し合っていく過程において、今までこのような分析をしたことのなかった本人に別の視点が少しずつ芽生え、それに伴い、周りが本人のことを必死に思っていることとその大切さを感じ取り、徐々に信頼関係が生まれていった。仕事に就き、信頼関係を築いて人脈を広げ、守るべき対象を広げて責任発想を持つことが再犯防止にとても重要であることを徐々に理解し、将来設計について何度も協議を重ねた結果、前科があっても資格を取ることができる行政書士試験を目指すことになった。身柄拘束期間を利用して、その勉強を開始し、交際相手も一緒に受験を目指すことになり、面会を重ねて勉強と今後のプランについても何度も話し合ってもらった。このような取り組みをするうちに、言い訳もなくなり、全てが、自分の責任で招いた必然の結果でしかなかったことを知るに至り、自分を直していくことに考えがシフトしていった。裁判では、この取り組みをそのまま紹介し、交際相手にも、その取り組みをそのまま表現してもらった。その結果、検察官の求刑が大幅に下がり(検察官の後日談)、想定された刑よりも大きく減軽された。

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中村 浩士 弁護士からのコメント

判決が出た後、「今回の判決は、私が足を引っ張ってしまったと思います。先生と出会えてよかった。ありがとう。先生、最初は怒って帰っていってしまったけれども、判決後、初めて先生の本当の姿を見た気がします。将来、一緒に更生支援に携わらせてください」との手紙をもらいました。服役を終えた後、待ち続けた交際相手と事実婚状態となっており、今、私とご本人とは、飲み友達でもあり、また、私が平成31年7月11日に札幌市で更生志願者を積極的に雇用して更生支援をする予定のしゃぶしゃぶ店と立ち飲み日本酒店の出店計画に一緒に参画してもらっているところで、共に更生支援活動に取り組んでいただいています。刑事弁護人にとって、こんなにやり甲斐を感じることはありません。