犯罪・刑事事件の解決事例
#加害者 . #覚醒剤・大麻・麻薬

大麻所持(初犯)、弁護活動により不起訴処分を獲得した若年者の事例

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磯田 直也 弁護士が解決
所属事務所ルーセント法律事務所
所在地兵庫県 宝塚市

この事例の依頼主

10代 男性

相談前の状況

依頼者(19歳・大学生)は、友人から興味本位で乾燥大麻を少量譲り受け、カバンに隠し持っていました。ある日、別件での警察官による職務質問の際に、カバンから乾燥大麻(約1グラム)が発見されました。依頼者は大麻取締法違反(所持)の容疑で現行犯逮捕されました。逮捕も警察の捜査も初めての経験であり、依頼者は大変な衝撃と恐怖を感じていました。「大学を退学になるのではないか」「前科がついて就職できなくなるのではないか」「家族に申し訳ない」と、将来に対する強い不安に苛まれていました。知らせを受けたご両親も動転し、今後の手続きや息子さんの将来を心配され、当事務所に相談に来られました。

解決への流れ

ご両親からの依頼を受け、当事務所の弁護士が直ちに警察署へ接見に向かいました。依頼者から大麻を入手した経緯や使用状況、現在の心境などを丁寧に聴取しました。依頼者が深く反省しており、所持量も微量であること、これが初めての違法行為であることなどから、不起訴処分を目指す弁護方針を立てました。弁護士はまず、依頼者が深く反省し、二度と大麻に関わらないと誓っていることを検察官に伝えるための準備を進めました。具体的には、以下の活動を行いました。・反省文の作成: 依頼者本人に、大麻を入手した経緯、軽い気持ちで手を出してしまったことへの後悔、違法薬物の危険性への理解、今後の更生への決意などを具体的に記した反省文を作成してもらいました。・更生環境の整備: ご両親に監督を強化する旨の誓約書を作成していただき、本人が今後、薬物とは無縁の生活を送れるよう家族全体で支えていく体制があることを示しました。また、大麻を譲り受けた友人との関係を断ち切ることを依頼者に約束させました。・依存性の否定: 依頼者の大麻使用が常習的・依存的なものではなく、一過性の過ちであったことを主張しました。収集した証拠(反省文、両親の誓約書など)を添付した意見書を作成し、検察官に提出しました。意見書では、①初犯であること、②所持量が微量であること、③深く反省していること、④家族による監督など更生のための環境が整っていること、⑤社会的制裁(逮捕勾留による影響等)を既に受けていることなどを具体的に主張し、起訴するまでの必要性はなく、起訴猶予処分が相当であることを強く訴えました。これらの弁護活動の結果、検察官は弁護士の意見と提出された証拠を考慮し、依頼者を不起訴処分(起訴猶予)としました。これにより、依頼者は刑事裁判を受けることなく、前科も付かずに済みました。大学に知られることなく学業を継続でき、将来への影響を最小限に抑えることができました。依頼者もご家族も、今回の経験を深く反省し、再出発の機会を得られたことに安堵されていました。

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磯田 直也 弁護士からのコメント

近年、特に若年層による大麻事犯が増加傾向にあり、警察・検察ともに厳しい態度で臨んでいます。軽い気持ちで手を出したとしても、大麻の所持は犯罪であり、逮捕・勾留され、場合によっては起訴されて前科がつく可能性も十分にあります。本件のような初犯で所持量が微量な事案の場合、不起訴処分(起訴猶予)を獲得できるかどうかの鍵は、「本人が深く反省しているか」「再犯の可能性が低いか」を検察官にいかに説得的に示せるかにかかっています。具体的には、反省文の作成指導、ご家族の協力体制の構築、薬物との関係を断ち切る具体的な行動などを弁護士がサポートし、それらを証拠として検察官に提出することが重要です。特に若年者の場合、ご家族の監督と支援体制が整っていることを示すことは非常に効果的です。大麻などの薬物事件で捜査の対象となった場合、早期に弁護士に相談することが極めて重要です。逮捕直後から適切な対応をとることで、不起訴処分の可能性を高め、前科がつくことによる将来への不利益を回避できる場合があります。ご本人やご家族だけで悩まず、まずは刑事事件の経験豊富な弁護士にご相談ください。