犯罪・刑事事件の解決事例
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犯罪被害者の方へ:損害賠償命令制度とは?刑事裁判に続いて損害賠償を求める手続き

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磯田 直也 弁護士が解決
所属事務所ルーセント法律事務所
所在地兵庫県 宝塚市

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

[犯罪被害に遭われた方へ]犯罪の被害に遭われると、身体的な怪我だけでなく、精神的な苦痛、経済的な損害など、様々な形で甚大な被害を受けることになります。加害者に対して、これらの損害の償い、つまり損害賠償を求めたいと考えるのは当然のことです。しかし、従来は、損害賠償を求めるためには、刑事裁判とは別に、改めて民事訴訟(裁判)を起こす必要があり、時間も費用もかかり、被害者の方にとって大きな負担となっていました。こうした負担を軽減し、より迅速かつ簡易に被害回復を図るために設けられたのが「損害賠償命令制度」です。[損害賠償命令制度とは?]損害賠償命令制度は、特定の犯罪の被害者が、その犯罪を犯した被告人(加害者)に対し、刑事裁判の手続きに付随する形で損害賠償を請求できる制度です。主な特徴:・対象となる事件: この制度を利用できるのは、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪(殺人、傷害致死、傷害、危険運転致死傷など)や、強制わいせつ・強制性交等などの性犯罪、逮捕監禁罪、略取誘拐罪などの特定の犯罪に限られます。(※窃盗や詐欺などの財産犯、名誉毀損などは対象外です。)・申立ての時期: 刑事事件が起訴された後から、その刑事裁判の弁論が終わるまでの間に、刑事裁判が行われている裁判所に申立てを行う必要があります。・簡易な審理: 刑事裁判で有罪判決が出た後、その刑事裁判の記録を利用して、原則として同じ裁判所で損害賠償に関する審理が行われます。審理は原則4回以内で終結することを目指しており、通常の民事訴訟よりも迅速に進められます。審理の中心は、主に損害額の算定となります。・申立て手数料が安い: 申立てに必要な手数料は、請求する損害賠償の金額にかかわらず、原則として一律2,000円です。(※通常の民事訴訟では、請求額に応じて手数料が高くなります。)・強制執行が可能: 裁判所が損害賠償の支払いを命じる決定(損害賠償命令)を出し、それが確定すれば、通常の民事訴訟の判決と同じ効力を持ちます。相手が支払わない場合には、強制執行(給料や財産の差押えなど)の手続きをとることが可能です。この制度を利用するメリット・迅速な解決: 通常の民事訴訟に比べて、早く結論が得られる可能性が高いです。・費用の負担軽減: 申立て手数料が低額です。・立証の負担軽減: 犯罪行為そのものについては、刑事裁判の結果を利用できるため、被害者側が改めて詳しく立証する負担が軽減されます。・精神的な負担の軽減: 刑事裁判を担当した裁判所で手続きが進むため、新たに別の裁判所で一から手続きを始めるよりも、精神的な負担が少ない場合があります。

解決への流れ

[弁護士に相談・依頼するメリット]損害賠償命令制度は、被害者の負担を軽減するために作られた制度ですが、それでも法律に基づいた手続きであり、損害額を適切に計算し、証拠に基づいて主張・立証する必要があります。特に、精神的苦痛に対する慰謝料の算定などは専門的な知識が求められます。弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットがあります。・制度利用の可否判断: ご自身の受けた被害が、損害賠償命令制度の対象となるか、利用することが適切かを的確に判断します。・適切な申立て手続き: 期限内に、必要な事項を記載した申立書を正確に作成し、裁判所に提出します。・損害額の適切な算定と立証: 治療費、休業損害、逸失利益、そして特に算定が難しい慰謝料など、請求できる可能性のある全ての損害を洗い出し、法的に妥当な金額を計算し、それを裏付ける証拠(診断書、領収書、給与明細など)を収集・提出します。・審理への対応: 裁判所での審理期日に代理人として出席し、被害者の方のお気持ちや損害状況を裁判官に効果的に伝え、主張・立証活動を行います。加害者側からの反論にも的確に対応します。・強制執行のサポート: 損害賠償命令が出ても加害者が支払わない場合に、その後の強制執行(財産調査、差押え申立てなど)の手続きについてもサポートします。・精神的なサポート: 複雑で辛い手続きを進めるにあたり、法律の専門家として、また被害者の味方として精神的な支えとなります。

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磯田 直也 弁護士からのコメント

[まずは弁護士にご相談ください]損害賠償命令制度は、犯罪被害者の方にとって被害回復のための有効な手段の一つです。しかし、最大限の被害回復を実現するためには、専門家である弁護士のサポートが不可欠です。「この制度を使えるのだろうか?」「損害賠償としていくら請求できるのだろうか?」「手続きが難しそう」など、少しでも疑問や不安を感じたら、まずは犯罪被害者の支援に詳しい弁護士にご相談ください。秘密は厳守いたします。あなたが一歩前に進むためのお手伝いをさせていただきます。