この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
「先月に父が亡くなりました。父は不動産を所有しており、数名にこれを賃貸していましたが、相続人がたくさんいて、父の前妻との間の子である知らない相続人もいますし、行方不明の相続人もいます。 賃借人から、今後は賃料をどこへ払えば良いのか尋ねられたり、固定資産税の請求が来たり、どうしてよいのか分かりません。」との相談を相続人の一人である子から受けた。行方不明者の所在調査と、相続人と協議して不動産を単独取得して売却することについて、依頼を受けて受任した。
解決への流れ
行方不明の相続人とは、協議ができませんので、必要な調査を施した上で、不在者財産管理人といって、行方不明者の資産管理や処分ができる地位となる弁護士の選任申立手続を採りました。管理人には、私自身が選任され、他の相続人と協議し、固定資産評価額を法定相続割合で割った金額を各自に支払うことで、相談者の単独所有に登記移転することで合意し、共有名義をいったん経てから単独名義に移し、連携している不動産業者に売却依頼して売却を実現した。
お父様が亡くなられたことにより、その不動産は相続人全員の共有ということになりますので、本来は、速やかに相続人全員での共有登記をする必要があります。ただ、登記をしただけではお尋ねの問題は当然解消されませんので、解決方法を検討する必要があります。例えば、弁護士は必要があれば戸籍謄本等を取得できますので、これにより相続人全員を調べてその所在を調査し、相続人全員の同意を得て不動産を売却し、法定相続分に従って金銭で分配したり、あるいは、貴殿が不動産の取得を希望する場合には、固定資産評価額あるいは不動産業者数社から取得した査定額の平均値等に従って計算した他の相続人の持分相当の金銭を交付するなどして貴殿の単独名義に移すなどして、所有者を確定して諸問題を解決することが考えられます。不動産の処理方法について相続人全員の同意が得られない場合には、遺産分割調停を起こして解決をする必要があり、相続人の中に結局最後まで所在が分からない方がいる場合には、家庭裁判所でその不在者の財産を管理する不在者管理人選任の手続を採って解決する必要があります。いずれにしても、不動産の処理には、登記の問題が絡んでくることが多く、弁護士と司法書士に別々に相談するのは大変ですが、当事務所ではご一緒に相談をお受けして解決することができますので、お気軽にお尋ねください。グループ内の不動産会社や顧問先の不動産会社と連携して、なるべく良い価格での不動産売却にも努めています。