この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
私はA国人ですが、1990年ころ、観光ビザで来日し、そのままオーバーステイになってしまいました。その後、私は日本人女性と結婚し、在留特別許可によって「日本人の配偶者等」の在留資格を取得し、さらにその数年後には、「定住者」の在留資格を得、2000年ころから、知人が経営している会社で働くようになりました。私は、充実した毎日を送っていましたが、在留期限が近づいてきたため、そろそろ期間更新申請をしなければと思っていた矢先、スピード違反で検挙されました。そして、その時に、期限の切れた国際運転免許のまま運転していたことが判明し、略式命令で罰金を科せられてしまいました。私は、このことが理由で在留期間更新が認められなくなってしまうのではないかと不安になり、弁護士に相談しました。
解決への流れ
私は、弁護士から、略式命令を受けたことについて、自ら申告し、なぜスピード違反をしてしまったのか、また、なぜ日本の運転免許を取得していなかったのかをきちんと説明し、反省の意を示すことが必要だとアドバイスされました。そこで、それに従い、丁寧な陳述書を作成して、他の必要書類とともに提出したところ、在留期間更新を認めていただくことができました。
相談者は、当初はオーバーステイ状態であったところ、「日本人の配偶者等」を経て、「定住者」の在留資格を得、まじめに働いて生活していました。しかし、在留期限が迫っていたある日、仕事の関係で急いで車で目的地に行く必要があったことから、相談者は自分でも気づかぬうちにスピード違反をしてしまいました。また、相談者は当時国際運転免許証を有していましたが、これは発給から1年以内で、かつ、名義人が日本に上陸又は帰国してから1年以内であれば、日本国内でも運転ができるところ、相談者は多忙にかまけており、スピード違反での検挙時には、その1年が過ぎてしまっていました。これは、いわば無免許状態で運転したのと同じですから、スピード違反よりも深刻視され、相談者は略式命令で罰金を科せられました。在留期間更新許可申請に際しては、このことについて、入国管理局に対し、丁寧な事情説明と、反省の弁を記した陳述書を作成し、資料として提出したことにより、もともと3年であったのが1年になってしまいましたが、ともかく「定住者」の期間更新は認めてもらうことができました。不利益な事を引き起こしてしまった場合、その後の在留期間更新申請や在留資格変更申請に影響が出てしまうことは否めませんが、だからといって、入国管理局に対して、これを隠して申請をするのではなく、正直に申告すること、また、事実を申告するだけでなく、今後そのような事態を生じさせないために、自分はどうするつもりなのかをしっかり説得的に説明することで、申請を許可してもらえる可能性を高めるよう努力すべきです。