10030.jpg
懲戒免職となった高校教師の「教員免許」5年ぶり復活、大阪府教委の「処分」修正で
2022年04月15日 17時51分

部活動の手当を不正受給したなどとして、懲戒免職処分を受けた大阪府の男性教員(50代)の教員免許が「復活」したことがわかった。

男性が処分を不服として審査請求を申し立てたところ、府人事委員会が処分修正の裁決を出した。府教育庁が4月15日、弁護士ドットコムニュースに明らかにした。

人事委によると、こうした処分の修正はめずらしいという。(編集部・塚田賢慎)

部活動の手当を不正受給したなどとして、懲戒免職処分を受けた大阪府の男性教員(50代)の教員免許が「復活」したことがわかった。

男性が処分を不服として審査請求を申し立てたところ、府人事委員会が処分修正の裁決を出した。府教育庁が4月15日、弁護士ドットコムニュースに明らかにした。

人事委によると、こうした処分の修正はめずらしいという。(編集部・塚田賢慎)

●5年越しに教壇に立つ資格が回復

教育庁によれば、府立高校に勤めていた男性は2016年6月、懲戒免職処分を受け、教員免許を失効とされた。同年に審査請求をしたところ、人事委員会から処分修正の裁決が今年2月22日に出され、3月25日付で免許の失効が取り消されている。

教育職員免許法では、懲戒免職処分を受けた公立学校教員の免許は失効すると定められている。

修正に至る理由や、修正後の処分内容について教育庁は回答を控えたが「5年以上前の処分日にさかのぼって教員の身分を有していたことになり、給与支払いの手続きがとられる」という。

当時の新聞記事によれば、男性は2011〜2015年度、前任の府立高時代とあわせて、休日の部活動指導の手当や、部員からの徴収金の一部など計93万円を不正に受給・着服したとして、教育庁から懲戒免職処分とされた。男性は手当をもらえる要件を知らなかったとして、全額返却の考えを示していた。

人事委は、弁護士ドットコムニュースの取材に「一般的には、免職処分の修正裁決はあまりない」としている。

過去には、飲酒運転をしたとされる男性教員の懲戒免職処分について、静岡県人事委は客観的証拠がないことなどを理由に停職6カ月の処分に修正する裁決を出している。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る