10137.jpg
改正法施行前日の歌舞伎町を歩く ホスト看板に変化…塗りつぶされた「4年連続1位」
2025年06月27日 14時36分
#歌舞伎町 #色恋営業 #悪質ホストクラブ問題

悪質ホストクラブへの規制を強めた改正風営適正化法が施行される6月28日を前に、「指名数No.1」などと記載されたホストの看板が東京の新宿・歌舞伎町から姿を消しつつある。

改正法の施行に伴う警察庁からの通達により、「〇億円プレイヤー」「指名数No.1」やランキング制の存在を示す文言は規制対象となったからだ。

施行前日の27日に現地を訪れると、かつては「億超え」「神」といった文言でぎらついていたホスト看板は、張り替えられたり、規制対象となる文言が塗り潰されたりしていた。

悪質ホストクラブへの規制を強めた改正風営適正化法が施行される6月28日を前に、「指名数No.1」などと記載されたホストの看板が東京の新宿・歌舞伎町から姿を消しつつある。

改正法の施行に伴う警察庁からの通達により、「〇億円プレイヤー」「指名数No.1」やランキング制の存在を示す文言は規制対象となったからだ。

施行前日の27日に現地を訪れると、かつては「億超え」「神」といった文言でぎらついていたホスト看板は、張り替えられたり、規制対象となる文言が塗り潰されたりしていた。

●“億プレイヤー”が消えていく歌舞伎町

取材班が訪れた27日正午過ぎ。歌舞伎町の一画では、ホストの顔看板から「〇億円プレイヤー」「指名数No.1」などのコピーが塗りつぶされつつあった。

画像タイトル 「4年連続1位」「店舗ランキング」が塗りつぶされた看板

別の看板では、ホストたちの顔写真は残したままテープで覆われていた。ブルーシートをかけられた広告枠もあった。

警察庁通達が「禁止ワード」として示した例が、そのまま“空白”になった格好だ。修正対応がなされていない看板もあり、これは28日以降に変更されるのかもしれない。

画像タイトル 億単位の売上を誇る看板もまだ存在した

デジタルサイネージ看板の広告で流れるキャバクラの動画広告には、いまも規制対象の文言が使われているものもあった。

画像タイトル 女性が接客する店のデジタルサイネージの動画広告では、まだ「No.1」が使われていた

改正法では、威迫や誘惑による料金の支払いというのための売春、性風俗店勤務、AV出演等の要求が「禁止行為」と規定され、違反すればは6月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金が科されることになる。

そして通達では、客の遊ぶ意欲をそそり、ホストなどの間で競争意識を生じさせたりして、「営業に関する違法行為を助長するような歓楽的・享楽的雰囲気を過度に醸し出すもの」が規制違反にあたるとされた。

画像タイトル ホストクラブの前で女性の肩を抱く男性(6月27日撮影、加工しています)

●表現規制に対する反響

通達の内容を報じた記事に対して、SNS上では、ホストにハマった女性が困窮し、売春などに追い込まれるような状況を踏まえて、規制に理解を示す声が寄せられた。

一方で、少ないながらも「表現の自由は守らなければならない」といった声も存在する。

画像タイトル 「僕たちは悪ですか?」と書いたホストクラブの看板

また、どれだけ広告の文言を規制しても、いたちごっこで新たな言葉が生み出されるだけだという意見もあった。

●規制された文言

通達では、実際の事例として、次のような表現があげられている。

(1) 接客従業者の営業成績を直接的に示すもの

「年間売上〇億円突破」「〇億円プレイヤー」「指名数No.1」「億超え」「億男」

(2) 営業成績に応じた役職の名称等の営業成績が上位であることを推認させるもの

「幹部補佐」「頂点」「winner」「覇者」「神」「レジェンド」「総支配人」「新人王」

(3)「ランキング制」自体の存在、接客従業者間での優位性を裏付ける事実等の接客従業者間の競争を強調するもの

「売上バトル」「カネ」「SNS総フォロワー数〇万人」

(4)客に対して自身が好意の感情を抱く接客従業者を応援すること等を過度にあおるもの

「〇〇を推せ」「〇〇に溺れろ」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る