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「割引航空券の取消料が高すぎる」弁護士が「全日空」を訴えた理由とは?(一問一答)
2014年08月08日 18時34分

割引運賃で事前購入した航空券の「取消手数料」が高すぎるとして、佐賀県の弁護士が全日空を相手取って、取消手数料8190円の返還を求める訴訟を起こした。佐賀地裁に6月中旬に提訴したのは、佐賀市の富永洋一弁護士。第1回口頭弁論は8月29日に開かれる。

訴状などによると、原告である富永弁護士は今年4月17日、旅行代理店を通じて、全日空の割引商品「旅割75」を購入した。これは、搭乗75日前であれば大幅に値引きされる航空券。富永弁護士は、3カ月後の7月31日に搭乗予定の「羽田発佐賀行き」の航空券を、1万3290円で購入した。通常の片道運賃は4万3890円なので、7割引きの格安運賃だった。

しかし搭乗日の62日前である5月30日、富永弁護士は搭乗便を変更するため、同便をキャンセルした。その際、取消手数料として、8190円を請求されたのだという。全日空のホームページによると、搭乗74日前からの取消手数料は、運賃の約63%に相当する金額とされている。

この手数料について、富永弁護士は「高すぎる」と訴えている。その法的根拠は、「消費者契約の解除に伴い、事業者に生じる平均的な損害額を超えた違約金は無効」とする消費者契約法9条1項だ。富永弁護士は「60日前までのキャンセルならば、代わりの旅客を容易に確保できる」として、全日空に損害は生じないはずだ、と主張しているのだ。

今回の裁判の原告と被告の双方に、弁護士ドットコムは取材を申し込んだが、全日空は、「係争中のためコメントは差し控える」と回答した。一方、富永弁護士は電話でのインタビューに応じた。その一問一答は、以下の通り。

割引運賃で事前購入した航空券の「取消手数料」が高すぎるとして、佐賀県の弁護士が全日空を相手取って、取消手数料8190円の返還を求める訴訟を起こした。佐賀地裁に6月中旬に提訴したのは、佐賀市の富永洋一弁護士。第1回口頭弁論は8月29日に開かれる。

訴状などによると、原告である富永弁護士は今年4月17日、旅行代理店を通じて、全日空の割引商品「旅割75」を購入した。これは、搭乗75日前であれば大幅に値引きされる航空券。富永弁護士は、3カ月後の7月31日に搭乗予定の「羽田発佐賀行き」の航空券を、1万3290円で購入した。通常の片道運賃は4万3890円なので、7割引きの格安運賃だった。

しかし搭乗日の62日前である5月30日、富永弁護士は搭乗便を変更するため、同便をキャンセルした。その際、取消手数料として、8190円を請求されたのだという。全日空のホームページによると、搭乗74日前からの取消手数料は、運賃の約63%に相当する金額とされている。

この手数料について、富永弁護士は「高すぎる」と訴えている。その法的根拠は、「消費者契約の解除に伴い、事業者に生じる平均的な損害額を超えた違約金は無効」とする消費者契約法9条1項だ。富永弁護士は「60日前までのキャンセルならば、代わりの旅客を容易に確保できる」として、全日空に損害は生じないはずだ、と主張しているのだ。

今回の裁判の原告と被告の双方に、弁護士ドットコムは取材を申し込んだが、全日空は、「係争中のためコメントは差し控える」と回答した。一方、富永弁護士は電話でのインタビューに応じた。その一問一答は、以下の通り。

●「消費者問題に取り組む立場として、看過できない」

――提訴に踏み切ったのは、なぜか?

「私は佐賀県弁護士で消費者委員会の委員長をしています。佐賀大学でも、講師として消費者法を教えています。その立場から、看過できないと思いました。『旅割75』は、異常な取消料を徴収しています」

――なぜ、弁護士自らが裁判を起こしたのか?

「消費者契約法9条は難しい法律です。9条では、『平均的な損害額』を超えると取消手数料は無効になると定められていますが、この『平均的』というのが何を意味するのかは難しい。そのため、(1回の期日で審理を終える)少額訴訟に持ち込むのは、容易ではありません。一般の人が8000円程度の取消手数料のために訴訟を起こすことは難しいので、弁護士くらいにしかできないでしょう」

――少額訴訟を促したいという意図があるのか?

「そういう意図はありません。今回も少額訴訟ではありません。佐賀地裁も、1人の裁判官で審理することは難しいということで、3人の裁判官の合議にすることを決めました」

――自らが弁護士ということで、裁判は1人でやるのか?

「いいえ、弁護士会の消費者委員会のメンバーら12人が代理人として名を連ねています」

――取消手数料が無効になる基準を「60日前」とした理由は何か?

「60日あれば、他の客を確保することが容易だからです。消費者契約法でも『時期等の区分に応じ』と定められています。10日前や1日前なら別でしょうが、60日前ならば損害はないはずです」

――同様の訴訟は、これまでにあるのか?

「航空券については、ほとんどないと思います。似たようなケースとしては、結婚式場や旅行のキャンセル、大学の入学辞退に関するものがあるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

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