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「人気キャバ嬢」の誕生日、現金やプレゼント650万円分が飛び交う…税金の問題は?
2017年08月29日 09時41分

日本で働いていてもチップをもらうことは少ないですが、一つの例外が水商売です。人気のキャバクラ嬢やホストともなると、誕生日にはたくさんの高額なプレゼントや現金が飛び交うことがあります。

ただ、気になるのが税金の問題です。ネットのQ&Aサイトでは、トータルで650万円分のプレゼントや現金をもらったが、その税金について気にしている投稿がありました。

店を通さずに高額なプレゼントや現金をもらった場合、税金はどうなるのでしょうか。松本崇宏税理士に聞きました。

日本で働いていてもチップをもらうことは少ないですが、一つの例外が水商売です。人気のキャバクラ嬢やホストともなると、誕生日にはたくさんの高額なプレゼントや現金が飛び交うことがあります。

ただ、気になるのが税金の問題です。ネットのQ&Aサイトでは、トータルで650万円分のプレゼントや現金をもらったが、その税金について気にしている投稿がありました。

店を通さずに高額なプレゼントや現金をもらった場合、税金はどうなるのでしょうか。松本崇宏税理士に聞きました。

●年間110万以上であれば、贈与税がかかる

「お客様から直接もらった金銭及び物品については、原則として贈与税の対象となります。」

松本税理士はそう指摘する。贈与税とはどういった税金なのだろうか。

「贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。贈与税の申告は、財産をもらった人が申告を行う必要があるので注意が必要です。

なお、贈与税には基礎控除というものが有りますので、年間110万円以下であれば贈与税はかからないことになります。プレゼントをくれた人が複数いる場合、全ての人から受けたプレゼントの合計額で計算するので注意が必要です」

今回のケースでは650万円分のプレゼントなどをもらったという。この場合に、税金はどうなるのだろうか。

「今回のケースでは、以下のとおり贈与税が計算されます。

650万円-110万円(基礎控除額)=540万円×30%-65万円=97万円

また、プレゼントであっても『個人から受ける年末年始の贈答、祝物等のための金品で、社会通念上相当と認められるもの』については、贈与税がかからないことになっています。ちょっとしたプレゼントであれば、そもそも贈与税の対象としてカウントしなくても良いのですがキャバクラ嬢へプレゼントを渡すのであれば、知人にプレゼントする場合よりも頑張ってしまうでしょうから、ほとんどが贈与税の対象に該当してしまうのではないでしょうか。

キャバクラ嬢は個人事業主として働いている方が多いと思います。この場合には、その事業に関連する収入として、他の売上などと合算して所得税の申告をすることになる可能性があります。税率の高い贈与税よりも、経費控除も認められる個人所得税で課税された方が結果的に税金は安くなるかもしれません」

●プレゼントを売った場合には所得税が課される

もらったものを、売った場合はどうなりますか。

「貰ったプレゼントを、オークションサイトや質屋で売却している方も多くいるそうですね。せっかく貰ったプレゼントですから、ご自身で大切に使っていただきたいところですが、貰ったプレゼントを売却した場合には、元手がなく単純に利益を手にしたことになりますので、原則的に所得税が課されることになります。

なお、国税庁の発表によると、相続税及び贈与税の平成27事務年度の実地調査件数は約12000件あります。そのうち9761件で申告漏れ等の指摘を受けており、調査対象となった場合は実に10人に8人が何らかの指摘を受けていることになります。税務署が申告漏れ等に目を光らせていることには違いはありません。税金は『知らなかった』というだけで済まされることはありませんので、適切な申告を行っていきましょう」

【取材協力税理士】

松本 崇宏(まつもと・たかひろ)税理士

「デリヘルはなぜ儲かるのか」(小学館文庫)の出版を機に日本で唯一、風俗業種に特化した税理士事務所。全国の風俗業の税務申告、相談の対応をしている。新刊「風俗オーナー限定 最強の『節税』」(幻冬舎)が平成29年6月に発売。

事務所名   : 税理士法人松本

事務所URL: http://www.deri-tax.com

(弁護士ドットコムニュース)

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