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夢のマイホームが悪夢となる時… 離婚時に露呈する「ペアローン」のリスクを検討
2025年10月20日 09時57分
#相続 #離婚 #住宅ローン #ペアローン

住宅価格や金利が上昇する中で、住宅を購入するためにペアローンを利用、検討しているご家庭も多いことと思います。

ペアローンは、夫婦がそれぞれローンを組むため、一方の配偶者だけの名義でお金を借りるよりも借り入れ可能額が大きくなり、高額な住宅を購入できるなどのメリットがあります。一方で、離婚などの関係解消時に様々なリスクがあると指摘されています。

ペアローンで購入した住居の名義とローンをめぐるさまざまな問題点について検討してみます。

住宅価格や金利が上昇する中で、住宅を購入するためにペアローンを利用、検討しているご家庭も多いことと思います。

ペアローンは、夫婦がそれぞれローンを組むため、一方の配偶者だけの名義でお金を借りるよりも借り入れ可能額が大きくなり、高額な住宅を購入できるなどのメリットがあります。一方で、離婚などの関係解消時に様々なリスクがあると指摘されています。

ペアローンで購入した住居の名義とローンをめぐるさまざまな問題点について検討してみます。

●ペアローンは離婚をする場合面倒なことになる

夫婦共同で購入し、共有名義となった住宅は、共同購入者全員の共有財産となっています。

離婚する際には、婚姻中に夫婦が協力して増やした財産を分ける「財産分与」(民法第768条)がなされ、共有関係を解消するのが一般的です。

共有名義のままでも法的には問題ないのですが、以下のようなトラブルを抱えるリスクがあります。

1)住宅ローンの一括請求をされるリスク

多くの住宅ローンは、債務者全員がその家に住むことを条件としています。離婚によってどちらか一方が転居すると契約違反となります。これにより直ちに金融機関から残債の一括返済を迫られるということはそれほどないと思われますが、リスクは残ります。

なお、だからといって離婚、転居という事実を金融機関に報告しなかった場合、それ自体も契約違反となり、一括返済を求められるリスクが高まってしまうと思われます。

また、ペアローンの場合、離婚後も元夫婦それぞれが、ローンの返済義務を負い続けます。

元配偶者がローンの返済を滞納したり、自己破産したりした場合、金融機関は残りの債務全額の一括返済を、あなた(もう一方の債務者)に求めてきます。

ペアローンでは、夫婦それぞれが自分の借入分について主たる債務者であることに加え、相手の借入分については連帯保証人となっていることが多く、その場合、自分自身のローンに加え、相手の分も含めた全額の一括返済を求められるリスクがあります。

2)不動産の処分・活用が制限される

不動産の売却や賃貸、大規模なリフォームを行うには、共有者全員の同意が必要です。 離婚後に元配偶者と連絡が取れなくなったり、意見が対立したりすると、売却や活用が一切できなくなってしまいます。

自分の持分だけを売却することは可能ですが、共有名義になっている不動産を買う人は少ないため、売却額が下がってしまいます。

3)将来的な相続トラブルと強制売却のリスク

元配偶者が亡くなると、その持分は元配偶者の相続人(再婚相手やその子どもなど)に引き継がれ、見知らぬ人と不動産を共有することになり、さらに権利関係が複雑化するリスクがあります。

元配偶者の持分を取得した第三者(不動産業者など)から共有物を分割しろという裁判を起こされると、裁判所の判断で強制的に不動産全体が売却され、住居を失ってしまう可能性があります。

●単独名義にする場合に必要なこと

上のようなリスクがあることから、離婚の際には住居の名義を単独名義とし、ペアローン状態を解消することが強く推奨されます。この場合には以下のような問題があります。

たとえば妻が住居に住み続ける場合を想定してみます。

ペアローンで購入した住居について、ローンを完済していなかった場合、住居に住み続ける妻の単独名義とし、その代わりに夫のローン分を「債務引き受け」や「借り換え」により一本化することになります。

この債務引き受けや借り換えには銀行の審査が必要となりますが、妻の経済力によっては審査が通らない可能性があります。そうすると、名義移転自体が困難になってしまいます。

住居を単独名義にするのが難しい場合には、住居を売却し、得た金額を原則としては夫婦で半分ずつ分け合うことになります。

しかし、住居を売却しても、未払いのローンの方が多いオーバーローンの場合は、残ったローンを各自が支払い続けることになります。

●話し合いで解決しない場合には離婚調停を

ペアローンで住居を購入したが、ローンが残っている状態で離婚することになった場合、まずは残債務も含めた財産分与をどうするか話し合いで決めることになります。

話し合いで解決が難しい場合は、裁判所に離婚調停を申し立てることも考えられます。離婚するかどうか自体に争いがなくても、離婚の際の条件を決めることができないという場合にも調停を利用できます。

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