10362.jpg
群馬大腹腔鏡手術問題、「全然反省していない」遺族が執刀医らの行政処分要請
2017年09月07日 18時51分

群馬大病院で、肝臓の腹くう鏡手術を受けた患者が相次いで亡くなった問題で、遺族会とその弁護団は9月7日、執刀医と診察科長(いずれも当時)に対して医師免許の取消しなどの行政処分を求める要望書を厚生労働省に提出した。遺族の1人は「的確な処分が下されることを願っている」とコメントした。

群馬大病院では2014年、腹くう鏡をつかった肝臓の手術を受けた患者8人が、術後4カ月以内で亡くなっていたことが発覚した。ほかにも、肝臓などの開腹手術で患者が亡くなるケースが相次いでいたこともわかり、第三者調査委員会による調査もおこなわれた。その結果、旧第二外科による手術36例(死亡事故)すべてに「何らかの診断の不備がある」と指摘されていた。

今回の要望書では、執刀医と診察科長の診療について「明白な注意義務違反行為や職業倫理上の義務をはたしていない行為が長期間にわたり継続的に認められる」「現時点の態度にも職業倫理上の問題点が顕著である」として、医業の停止や免許の取り消しなど含む行政処分を求めている。

弁護団によると、今回のような医療過誤をめぐっては、刑事処分のあとに行政処分が下されることになっており、刑事処分のないまま行政処分が下されるケースは前例がないという。この問題はまだ刑事事件化していないが、弁護団は「行政処分の意義が問われるケースだ」としている。

群馬大病院で、肝臓の腹くう鏡手術を受けた患者が相次いで亡くなった問題で、遺族会とその弁護団は9月7日、執刀医と診察科長(いずれも当時)に対して医師免許の取消しなどの行政処分を求める要望書を厚生労働省に提出した。遺族の1人は「的確な処分が下されることを願っている」とコメントした。

群馬大病院では2014年、腹くう鏡をつかった肝臓の手術を受けた患者8人が、術後4カ月以内で亡くなっていたことが発覚した。ほかにも、肝臓などの開腹手術で患者が亡くなるケースが相次いでいたこともわかり、第三者調査委員会による調査もおこなわれた。その結果、旧第二外科による手術36例(死亡事故)すべてに「何らかの診断の不備がある」と指摘されていた。

今回の要望書では、執刀医と診察科長の診療について「明白な注意義務違反行為や職業倫理上の義務をはたしていない行為が長期間にわたり継続的に認められる」「現時点の態度にも職業倫理上の問題点が顕著である」として、医業の停止や免許の取り消しなど含む行政処分を求めている。

弁護団によると、今回のような医療過誤をめぐっては、刑事処分のあとに行政処分が下されることになっており、刑事処分のないまま行政処分が下されるケースは前例がないという。この問題はまだ刑事事件化していないが、弁護団は「行政処分の意義が問われるケースだ」としている。

●遺族「人間としての倫理観も欠けていると感じた」

要望書提出後、遺族会と弁護団が東京・霞が関の厚生労働記者クラブで会見を開いた。遺族会の代表で、80代の父親を腹くう鏡手術で亡くした40代男性は「(2人は)全然反省していない。今までの行為を見直しもしない。処罰も反省もなく、引き続き医療行為をおこなうなど、元の状態に戻ってしまっては困る」と話した。

また、遺族会のもう一人の代表で、20代の妹を開腹手術で亡くした30代男性は「遺族の思いがまったく伝わっていないと感じた。医師として働いてもらいたくない。人間としての倫理観も欠けていると感じた」「前例を覆してでも、処分されるべき事案だと思う。厚労省には前向きに検討していただきたい」と述べた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る