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買ったばかりのペットに病気発覚! 返金や治療費を請求できる?
2016年06月08日 10時29分

「先天性の疾患があると診断された。返品・返金をしてほしい」ーーペットを買った後に、病気や障害を抱えていることが判明するトラブルが続出している。国民生活センターのHPによると、ペットについての相談は毎年千件以上。中でも、受け渡し時の健康状態についての相談が多いようだ。HPでは次のような事例が紹介されている。

「犬を買ったらてんかんで、ペット店と交渉の結果、代金を返してもらったうえで飼うことにしたが、やはり治療費を補償してほしい」

「通信販売で犬を購入した。受取直後から体調が悪く、寄生虫と気管支喘息と診断され入院した。店から医療費負担を断られたが、納得できない」

もし、購入後に病気や障害が明らかになった場合、飼い主はペットショップやブリーダーに返金や治療費を求められるのだろうか。ペット問題にくわしい渋谷寛弁護士に聞いた。

「先天性の疾患があると診断された。返品・返金をしてほしい」ーーペットを買った後に、病気や障害を抱えていることが判明するトラブルが続出している。国民生活センターのHPによると、ペットについての相談は毎年千件以上。中でも、受け渡し時の健康状態についての相談が多いようだ。HPでは次のような事例が紹介されている。

「犬を買ったらてんかんで、ペット店と交渉の結果、代金を返してもらったうえで飼うことにしたが、やはり治療費を補償してほしい」

「通信販売で犬を購入した。受取直後から体調が悪く、寄生虫と気管支喘息と診断され入院した。店から医療費負担を断られたが、納得できない」

もし、購入後に病気や障害が明らかになった場合、飼い主はペットショップやブリーダーに返金や治療費を求められるのだろうか。ペット問題にくわしい渋谷寛弁護士に聞いた。

●ペットの「個性」に注目したかどうかで対応が変わる

ーー法的にペットはどのように扱われるのか

抵抗のある人もいるでしょうが、法律上、ペットは「動産」といって物の一種として扱われています。そして、猫なら何でも良いというような「不特定物売買」か、その犬でなくてはだめだという「特定物売買」なのかによって、治療費や代わりのペットを請求できるかなどが変わってきます。

ーー「特定物」と「不特定物」?

そのペットの「個性」に着目したかどうかで、請求できる内容が変わってきます。「この犬でなければ嫌だ」と個性に注目して、犬を購入したとします。この場合、「特定物」で代替性がありませんから、病気にかかっていても代わりの犬を請求することはできません。

しかし、売り主には「瑕疵担保責任」(隠れた欠陥に対する担保責任)があるので、一定の範囲で治療費を請求できると考えられます。

もし、不治の病にかかっていたら、契約を解除して、始めからなかったことにすることもできます。解除が認められれば、ペットを返品し、代金を返還してもらうことになります。

ーー何でもいいという「不特定物」の場合はどうか

「猫なら何でも良い」と思い購入した場合は、代替物が存在します。なので、購入した猫が病気にかかっていたときは、病気にかかっていない猫に代えてくれと請求することができます。

ーー購入するときに気をつけることは?

病気にかかっているかどうかを一般人が見分けることは難しいと思います。獣医師との連携のとれた、信頼できるペットショップで購入することが重要でしょう。

また、ペットショップが作成した契約には、病気が発覚したときの取り扱いについて「特約」が定められていることがあります。その内容が消費者に不利になっていないかを確認することも大切です。

とはいえ、法的には「物」でも、ペットは「生き物」です。飼い主には、責任を持って購入、飼育してほしいものです。

(弁護士ドットコムニュース)

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