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刑務所に20年「社会貢献が償い」 元受刑者がカフェ運営で「生き直し」支援
2018年11月11日 09時34分

刑務所から出所した元受刑者たちが運営するカフェ「マリアカフェ」(東京・墨田区)が9月1日にオープンした。カフェでは、ルワンダ産の「マリアコーヒー」を1杯100円(アイスは200円)、子どもには無料でジュースを提供している。元受刑者の「居場所」づくりと、地域の人たちとの触れ合いの場として開かれた。

カフェは倉庫を改装したもの。毎日、メンバーが日替わりで看板にメッセージを書き込む。元受刑者が運営するカフェだとわかったうえで、足を運んでくれる親子もいるという。

開設したのは、受刑中の人や刑務所を出所した人たちの支援をおこなう「NPO法人マザーハウス」だ。「マザーハウス」理事長の五十嵐弘志さんに話を聞いた。

刑務所から出所した元受刑者たちが運営するカフェ「マリアカフェ」(東京・墨田区)が9月1日にオープンした。カフェでは、ルワンダ産の「マリアコーヒー」を1杯100円(アイスは200円)、子どもには無料でジュースを提供している。元受刑者の「居場所」づくりと、地域の人たちとの触れ合いの場として開かれた。

カフェは倉庫を改装したもの。毎日、メンバーが日替わりで看板にメッセージを書き込む。元受刑者が運営するカフェだとわかったうえで、足を運んでくれる親子もいるという。

開設したのは、受刑中の人や刑務所を出所した人たちの支援をおこなう「NPO法人マザーハウス」だ。「マザーハウス」理事長の五十嵐弘志さんに話を聞いた。

●「自分を変えることはできる」

「人を変えることは難しいけれども、自分を変えることはできる」。五十嵐さんは力強くそう語る。

五十嵐さんは過去3回、20年以上を刑務所の中で過ごした。3度目の服役のときに聖書と出会い、生き直すことを決意したという。現在は洗礼をうけ、キリスト教徒となった。

「社会貢献をすることが償いになる。自分にしかできないことをしよう」と考え、2014年5月にマザーハウスを立ち上げた。

マザーハウスでは、自分と向き合い、自分を知ることを重視したオリジナルの回復プログラムを用意している。「自分としっかり向き合わなければ、被害者やまわりのきもちを考えることはできません」と五十嵐さんは話す。

また、受刑者は家族や友人から絶縁され、孤立していることが少なくない。そのため、「ラブレター・プロジェクト」という受刑者との文通活動もおこなっている。ときには、受刑者に厳しいことを言うこともあるという。すべては、社会で生き直してもらうためだ。

●あふれる感謝のきもち

カフェの中には一際目立つ大きなぬいぐるみが置かれている。五十嵐さんは、「このぬいぐるみは、お世話になった方にいただいたものです。多くの人がサポートしてくれました。うしろだてがあったから、ここまでこられた」とうれしそうに話す。店内にある机や本棚など、ほとんどのものが法律家、研究者や教会の関係者などからもらったものだという。

マザーハウスの運営をサポートするボランティアもいる。中には、弁護士を目指している学生もいるそうだ。

●「積極的につなげてほしい」

「平成29年版犯罪白書」によれば、刑務所を出所後に犯罪をしてしまい、再び刑務所に戻ってしまう「再入者」の割合は増えつづけている(2016年は59.5%)。2017年12月には「再犯防止推進計画」が策定され、再犯防止は大きな課題となっている。

五十嵐さんは、「再犯防止に力を入れるならば、当事者の声を聞いてほしい」と訴えた。そして、再犯を防ぐためには「居場所」が必要だと指摘した。しかし、出所者が生き直したいと思っても、そのための場所を自分でみつけだすことはむずかしい。

五十嵐さんは、再犯防止のために弁護士にできることがあるという。それは、出所者を「居場所」につなぐことだ。

「裁判後も関わりつづけることは難しいと思います。でも、立ち直りたいと願っている人がいるならば、私たち『マリアカフェ』へ積極的に来てほしい。反省は1人でできますが、更生は1人ではできません。ここでは、同じ傷を分かり合うことができる」と、五十嵐さんは話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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