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妊娠していない女性は「離婚後すぐ再婚」が可能にーー違憲判決の担当弁護士が喜びの声
2016年02月20日 10時43分

民法で定められた女性の「再婚禁止期間」について、100日を超える部分は「憲法違反」だと、最高裁は昨年12月の判決で述べた。それを受け、法務省が3月、民法改正法案を国会に提出する予定だと報じられている。

報道によれば、法務省の改正案は、現在6カ月とされている女性の再婚禁止期間を100日間に改める。さらに、離婚時に妊娠していなければ、離婚後100日以内であってもただちに再婚を認めるという内容だという。

このたび報じられた改正案について、再婚禁止期間訴訟で違憲判決を勝ち取った作花知志弁護士は「担当弁護士として、この上ない喜び」と、弁護士ドットコムニュースにコメントを寄せた。「法改正が実現すれば、ほとんどの女性にとって、再婚禁止期間は全廃されたのと同じ」と高く評価している。

民法で定められた女性の「再婚禁止期間」について、100日を超える部分は「憲法違反」だと、最高裁は昨年12月の判決で述べた。それを受け、法務省が3月、民法改正法案を国会に提出する予定だと報じられている。

報道によれば、法務省の改正案は、現在6カ月とされている女性の再婚禁止期間を100日間に改める。さらに、離婚時に妊娠していなければ、離婚後100日以内であってもただちに再婚を認めるという内容だという。

このたび報じられた改正案について、再婚禁止期間訴訟で違憲判決を勝ち取った作花知志弁護士は「担当弁護士として、この上ない喜び」と、弁護士ドットコムニュースにコメントを寄せた。「法改正が実現すれば、ほとんどの女性にとって、再婚禁止期間は全廃されたのと同じ」と高く評価している。

●作花弁護士「原告の女性も喜んでいた」

2015年12月16日に出された最高裁判所大法廷判決では、現在民法733条1項が女性にのみ課している6カ月(180日)の再婚禁止期間のうち、100日を越える部分は過剰な制約で「憲法違反である」と判断しました。

原告代理人として裁判を担当した私は、この最高裁大法廷判決を受けて、国会が再婚禁止期間を「100日」とする法改正を行うことは予想していました。

最高裁判所大法廷判決につけられた10名の裁判官による個別意見を拝見し、10名全ての裁判官がいずれも、「100日の再婚禁止期間内であっても、女性が妊娠していないことが医学的に明らかな場合などには、再婚を認める運用が可能であり、逆にそのような運用がされることを前提とするならば、100日の再婚禁止期間を設けることは憲法に違反しないと考えられる」という立場であることが分かっていたからです。

そこで私としては、国会は再婚禁止期間を100日と法改正をした上で、行政の「通達」によって、離婚した女性が「妊娠していない」とする医師の診断書を提出すれば、離婚から100日以内でも再婚できるような運用をするのではないか、と考えていました。

ところが、今回の国会による法改正案では、「行政通達」ではなく、一歩すすんで法律での運用を認めようとしているようです。運用の明確化のためには、それが望ましいことは言うまでもありません。

国会での法改正が実現すれば、ほとんどの女性にとって、再婚禁止期間は全廃されたのと同様の効果が生まれることになります。

再婚禁止期間訴訟で原告となった女性は「自分のような辛い思いをする人が今後は出ないようにしたい。法律を変えたい」と思い、裁判を起こしました。その原告の女性の思いを受け止めて、最高裁判所大法廷は違憲判決を出し、さらに国会は法改正を進めています。

原告の女性に法務省の動きをお伝えすると、「(違憲判決と法改正は)二重の喜びです」と、改めて喜んでいました。私も担当弁護士として、この上ない喜びを感じています。

(弁護士ドットコムニュース)

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