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ライブ中に「大柄な男性客」がダイブ、女性ファンに直撃寸前…ケガさせたら法的責任は?
2025年09月03日 10時25分
#傷害罪 #ライブ #モッシュ #ダイブ

「本当に怖かったです」

そう話すのは、都内在住の女性だ。推しのバンドが出演するフェスに出かけた際、危険な場面に遭遇したという。

別のバンドの出演中、盛り上がった男性ファンが突然ステージに上がり、観客席へ飛び込んだ。いわゆる「ダイブ」だ。演奏中にアーティストや観客が観客席に飛び込む行為で、ケガの危険があるため禁止する会場も多い。

その日のフェスでは、ダイブ自体は禁止されていなかったが、「他の観客にケガをさせる行為は禁止する」と注意を呼びかけていた。

彼女の推すバンドは、女性ファンが多く、通常のライブではダイブがないという。ただ、他のバンドも出演するフェスだったため、安全そうな前列の隅で楽しんでいた。

しかし突然、大柄で筋肉質の男性が金属の飾り付きのブーツを履いたまま、女性の方向にダイブ。女性はとっさに避け、別の観客が受け止めたが「もしも直撃していたら、大ケガをしていたと思います」と振り返る。

「本当に怖かったです」

そう話すのは、都内在住の女性だ。推しのバンドが出演するフェスに出かけた際、危険な場面に遭遇したという。

別のバンドの出演中、盛り上がった男性ファンが突然ステージに上がり、観客席へ飛び込んだ。いわゆる「ダイブ」だ。演奏中にアーティストや観客が観客席に飛び込む行為で、ケガの危険があるため禁止する会場も多い。

その日のフェスでは、ダイブ自体は禁止されていなかったが、「他の観客にケガをさせる行為は禁止する」と注意を呼びかけていた。

彼女の推すバンドは、女性ファンが多く、通常のライブではダイブがないという。ただ、他のバンドも出演するフェスだったため、安全そうな前列の隅で楽しんでいた。

しかし突然、大柄で筋肉質の男性が金属の飾り付きのブーツを履いたまま、女性の方向にダイブ。女性はとっさに避け、別の観客が受け止めたが「もしも直撃していたら、大ケガをしていたと思います」と振り返る。

●「ダイブが怖いからフェスに行くのをやめる」という声も

近年SNSでは「ライブでダイブしてきた人のかかとが頭部に直撃し、脳しんとうを起こした」といった体験談が少なくない。

ネット上では「ダイブは自己責任でやればいい」という声がある一方で、「自己責任と言われるけど、ケガをさせたなら責任をとってほしい」「ダイブが怖いからフェスに行くのをやめる」といった批判もある。

では、ライブ中の「ダイブ」で観客をケガさせた場合、どのような法的責任を負うのだろうか。河西邦剛弁護士に聞いた。

●ケガすれば「傷害罪」に該当する可能性も

──わざとではなくても、観客がダイブで他人にケガをさせた場合、どのような責任が問われますか。

わざとでなく、誤って相手をケガさせた場合、通常は「過失傷害罪」を考えるかもしれませんが、今回のようなケースでは理論上は「傷害罪」にあたる可能性があります。

傷害罪の成立には、傷害の結果発生について認識・認容している必要はなく、また特定の個人の特定をする必要もなく、誰か人に対する「不法な有形力の行使」であることを認識していれば、傷害罪は成立します。

密集した観客席へダイブすれば、「人に対する不法な有形力の行使」であると十分認識していたと言えるでしょうし、密接状況にもよりますが「よけてくれると思っていた」という弁解も通りにくいかとは思います。

傷害罪の法定刑は、15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金とされています。

なお、「人に対する不法な有形力の行使」は、「暴行罪」にあたりますので、ケガをしていなくても暴行罪は成立するでしょう。

もちろん、民事上の損害賠償責任も発生します。ダイブは不法行為にあたり、被害者に対して治療費や慰謝料、休業損害補償、さらには後遺症損害について賠償する責任が生じる可能性があります。

●主催者や会場側の責任を問うのは難しい

──ダイブを禁止していなかった主催者や会場側に責任を問うことはできますか。

ダイブを禁止していなかっただけで、ただちに主催者や会場の責任が認められるわけではありません。過去の裁判例では、落雷事故で観客が死亡したケースでも「主催者が事故を予見できたか」が争点となりました。

ダイブの場合も同様で、事故が頻発していたのに主催者が何も対策をとらず、放置していたといえる状況でなければ、安全配慮義務違反を問うのは難しいと思われます。

●被害者が取るべき対応

──もしダイブでケガをしたら、どのように対応すればいいですか。

まず、加害者の特定が重要です。損害賠償は基本的に加害者本人にしか請求できません。警察を呼んで身元を確認してもらうのが確実です。難しい場合は身分証の提示を求めたり、写真を撮るなどの方法も考えられます。

次に、行為や被害の記録を残すことです。後から加害者側に弁護士がついて、証拠がない部分についてはすべて否定してくるという流れは現実的にありうるでしょう。

スマホで加害者が謝罪している様子を録音・録画する、目撃者の証言を確保するなどが有効です。

さらに、ケガや物損の証拠を残しましょう。すぐに病院に行って診断書を取れなくても、ケガの状態を写真で残しておくことが後々の証拠になります。

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