11264.jpg
「銀河鉄道999」アニメーターがメーテルのイラストをヤフオク出品、同人誌だったら許された?
2019年08月03日 09時40分

名作アニメ「銀河鉄道999」にも参加した有名アニメーターの男性が、メーテルの直筆イラストをネットオークション(ヤフオク)で販売していたと、週刊新潮が7月30日に報じた。出品していたのは、湖川友謙(こがわとものり)さん。週刊新潮などによると、湖川さんは近年、自ら手がけたアニメ作品のキャラクターなどの直筆イラストをネットオークションに出品してきたが、その中にメーテルもあったという(現在は掲載されていない)。

湖川さんは、大ヒット映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(1978年)では、総作画監督も務めているほか、富野由悠季監督とともに、ロボットアニメ「伝説巨神イデオン」「戦闘メカ ザブングル」「聖戦士ダンバイン」なども手がけている。

報道によると、湖川さんはファンにイラストを求められたため、「サービスのつもりで描いている」と説明しているという。言うまでもなく、「銀河鉄道999」は漫画家の松本零士さんが原作。ネットでは、「ネットオークションではなく、同人誌でやればよかったのに…」という声もあった。湖川さんの直筆イラストは、著作権侵害にあたるのだろうか。また、同人誌の場合はどうなるのだろうか。著作権に詳しい桑野雄一郎弁護士に聞いた。

名作アニメ「銀河鉄道999」にも参加した有名アニメーターの男性が、メーテルの直筆イラストをネットオークション(ヤフオク)で販売していたと、週刊新潮が7月30日に報じた。出品していたのは、湖川友謙(こがわとものり)さん。週刊新潮などによると、湖川さんは近年、自ら手がけたアニメ作品のキャラクターなどの直筆イラストをネットオークションに出品してきたが、その中にメーテルもあったという(現在は掲載されていない)。

湖川さんは、大ヒット映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(1978年)では、総作画監督も務めているほか、富野由悠季監督とともに、ロボットアニメ「伝説巨神イデオン」「戦闘メカ ザブングル」「聖戦士ダンバイン」なども手がけている。

報道によると、湖川さんはファンにイラストを求められたため、「サービスのつもりで描いている」と説明しているという。言うまでもなく、「銀河鉄道999」は漫画家の松本零士さんが原作。ネットでは、「ネットオークションではなく、同人誌でやればよかったのに…」という声もあった。湖川さんの直筆イラストは、著作権侵害にあたるのだろうか。また、同人誌の場合はどうなるのだろうか。著作権に詳しい桑野雄一郎弁護士に聞いた。

●アニメは原作漫画と別の著作物だが……

アニメーターが、原作者のいるアニメ作品のイラストを自作してネットオークションで販売した場合、著作権侵害になる?

「アニメは原作の漫画とは別の著作物ですが、全く別物というわけではなく、漫画を映画化した二次的著作物と考えられます。キャラクターも、漫画とアニメでは全く同じではないものの、本質的な特徴は漫画と類似していると考えられます。

そして、原作者の著作権は、原作(漫画)を映画化した二次的著作物(アニメ)にも及びます。したがって、原作者に無断でアニメのキャラクターのイラストを描いたりオークションに出品して販売したりすることは原作者のアニメに対する著作権の侵害となります」

では、ファンの求めに応じて、メーテルのイラストを直接ファンに売ったり、同人誌として頒布したりした場合はどうなる?

「著作権法では、私的使用目的の場合は著作権者に無断で複製や翻案ができることになっています。この場合の私的使用とは自分が使う場合や家族など緊密な人間関係のある人に提供する場合に限られています。

ファンに頼まれて描くのは私的使用の範囲を超えるので、著作権侵害となります。実は同人誌に掲載して販売をすることも同様に著作権の侵害です。同人誌の中には、権利者が黙認しているだけで法律上は著作権侵害にあたるものも少なくないのです。

ファンの期待に応えたいという気持ちはわかるのですが、その場合は似て非なるオリジナルのキャラクターにしておいた方がよかったと思います」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る