11414.jpg
香害で体調不良「退職を余儀なくされ、生活困窮」、消費者団体が被害者の声まとめる
2018年03月22日 08時58分

柔軟剤や制汗剤などの強い香りが原因で、体調不良を引き起こす「香害」。この問題に取り組んできたNPO「日本消費者連盟」(「日消連」、東京都新宿区)が、香害の被害に悩む人たちの声や対応策をまとめたブックレット「香害110番」を発行する。

「日消連」では、香害を「柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香りをともなう製品による健康被害のこと。体臭は含まれない」と定義している。

柔軟剤や制汗剤などの強い香りが原因で、体調不良を引き起こす「香害」。この問題に取り組んできたNPO「日本消費者連盟」(「日消連」、東京都新宿区)が、香害の被害に悩む人たちの声や対応策をまとめたブックレット「香害110番」を発行する。

「日消連」では、香害を「柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香りをともなう製品による健康被害のこと。体臭は含まれない」と定義している。

●「生活は困窮しています」

「香料のない時代に生まれたかったとまで本気で思います」

ブックレットには、香害によって日常生活に深刻な影響が出ている人たちのそんな切実な声が並ぶ。

「香害」の原因となる香料が、公共交通機関や職場、学校、街中にも漂っているため、仕事や外出ができなくなる人たちもいる。

ある人は「通勤電車に乗ることもできず、仕事場での柔軟剤使用者もいるため退職を余儀なくされ、生活は困窮しています」。

病院で「化学物質過敏症」と診断された人は「最近の香りブームは本当にきついです」と言い、「香りで苦しんでいる人たちがいる事を、もっと世間に知っていただく機会が欲しいです」と訴えている。

●「広い範囲で深刻な問題になっている」

ブックレットの編集を担当した「日消連」事務局の杉浦陽子さんによれば、2017年の夏に電話相談「香害110番」を実施したところ、大きな反響があったため、今回の発行につながった。

実施前は「本当に電話がかかってくるのか」と半信半疑だったそうだが、電話相談終了後にも相談が寄せられるなど、想像を超える声が寄せられた。日消連では、香害が「広い範囲で深刻な問題になっている」として、公共の場での使用制限などの要望、提言をしていく。

詳細、注文は「日消連」HPまで。

【情報募集!】弁護士ドットコムニュースでは「香害」問題の取材を続けています。強い匂いに悩まされたことはありませんか。あなたの経験を教えてください。以下からLINE友だち登録をして、ご連絡ください。

友だち追加

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る