11590.jpg
私学教員の部活指導など、「明確な指示」なくても「労働時間の可能性大」厚労省回答
2018年08月30日 17時16分

ブラック企業問題に取り組む弁護士や研究者らでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」は8月30日、私立学校教員の部活動などの業務について、厚生労働省側から「業務に付随するもので必要不可欠であれば、黙示に明示していると判断できる」などと回答されたことなどを報告した。

回答は、同プロジェクトが8月13日に行った質問に対するもの。学校法人関西大学(大阪府吹田市)が設置した小中高校が、労基署から労基法違反で3度の是正勧告を受けたことに関連し、関大付属の教員が時間外労働として行っていた9つの業務について、労働時間として認められるかどうかなどを尋ねた。

厚労省労働基準監督課の担当者は、(1)授業準備、(2)生徒への補習、(3)保護者対応、(4)生徒対応、(5)業務に関わる会議・打ち合わせ、(6)登校指導、(7)入試事務、(8)部活動指導、(9)給食指導の9業務いずれも、学校側による明確な指示があった場合はもちろん、「黙示の指示があった場合」についても「重要な判断ポイントとして労働時間として判断できる可能性が高い」と回答。

学校側が「教員の自主的な活動である」と発言していたとしても、黙示の指示があれば、労働時間として判断できるとした。

ブラック企業問題に取り組む弁護士や研究者らでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」は8月30日、私立学校教員の部活動などの業務について、厚生労働省側から「業務に付随するもので必要不可欠であれば、黙示に明示していると判断できる」などと回答されたことなどを報告した。

回答は、同プロジェクトが8月13日に行った質問に対するもの。学校法人関西大学(大阪府吹田市)が設置した小中高校が、労基署から労基法違反で3度の是正勧告を受けたことに関連し、関大付属の教員が時間外労働として行っていた9つの業務について、労働時間として認められるかどうかなどを尋ねた。

厚労省労働基準監督課の担当者は、(1)授業準備、(2)生徒への補習、(3)保護者対応、(4)生徒対応、(5)業務に関わる会議・打ち合わせ、(6)登校指導、(7)入試事務、(8)部活動指導、(9)給食指導の9業務いずれも、学校側による明確な指示があった場合はもちろん、「黙示の指示があった場合」についても「重要な判断ポイントとして労働時間として判断できる可能性が高い」と回答。

学校側が「教員の自主的な活動である」と発言していたとしても、黙示の指示があれば、労働時間として判断できるとした。

●「大きな前進」と評価

厚労記者クラブで会見した「私学教員ユニオン」の佐藤学さんは「9つの業務は、やらなければ学校が回らないという必要不可欠なもの。これらを『労働時間として判断できる可能性が高い』と踏み込んだ判断をしたのは、今後の教員の働き方改革や労働時間の問題を考える上で大きな前進だ」と評価した。

また、会見に同席した関大付属校の教諭は「部活動は自主的な活動だから除外するといったものではなく、実態労働に基づいて判断できるということだった。適正な労働時間の把握と、長時間労働を削減していく方向の判断だと受け止めている」と話した。

同プロジェクトは8月31日(金)と9月2日(日)の2日間、私学教員を対象に、無料労働相談ホットラインを行う。日時は31日が17時〜21時、9月2日が15〜18時。電話番号は(0120-333-774)。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る