11697.jpg
年収1075万円以上、職種限定の「高度プロフェッショナル労働制」厚労省が新制度案
2015年01月16日 20時44分

厚生労働省は1月16日、労働政策審議会の分科会を開き、特定職種で年収1075万円以上の労働者に対して、働く時間ではなく成果に基づいて賃金を支払う「ホワイトカラーエグゼンプション」を導入する骨子案を示した。1月招集の通常国会に、労働基準法の改正案が提出される見込みだ。

厚生労働省は1月16日、労働政策審議会の分科会を開き、特定職種で年収1075万円以上の労働者に対して、働く時間ではなく成果に基づいて賃金を支払う「ホワイトカラーエグゼンプション」を導入する骨子案を示した。1月招集の通常国会に、労働基準法の改正案が提出される見込みだ。

●「新しい名前がつきました」

ホワイトカラーエグゼンプションは、時間に縛られず、柔軟な働き方を実現するものとして、2007年の第1次安倍政権で議論になった。長時間労働を招く「残業代ゼロ法案」として批判され、頓挫したが、現在の第2次安倍政権で再び議論が本格化した。

この日、配られた報告書骨子案では、ホワイトカラーエグゼンプションのことを「特定高度専門業務・成果型労働制」と呼んでいる。通称は「高度プロフェッショナル労働制」になる見込みだという。分科会では「新しい名前がつきました」と事務局から説明があった。

日本の労働現場では、長時間労働に対する批判が根強いことから、制度の対象となるのは、専門性が高く、時間と成果の関連性が強くない職種に限定された。具体的には、金融商品のディーラーやアナリスト、コンサルタント、システムエンジニアなどが対象となる。ただし、導入には本人の同意が必要とされた。

さらに、長時間労働を防止するために、労使の合意のうえで、年間104日の休日取得や、1カ月間の在社時間の上限設定、就業から翌日の始業までに一定の休息を取ること、のいずれかを選ぶことになった。

今日の分科会では、労働者側の委員が、長時間労働の防止策について「『一定時間の休憩を取る』と言われてもイメージがわかない。具体的な目安を明確にするべきだ」と要望した。使用者側の委員は対象職種について「さまざまな新しい職種が出てきている、個別の話し合いで対象職種を決めるべきだ」と述べた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る