11837.jpg
マツコが「我慢しろ」という「サイレントお祈り」 就活生に不採用は伝えなくていい?
2015年07月18日 09時42分

テレビ朝日系で7月上旬に放送されたバラエティ番組「マツコ&有吉の怒り新党」で、就職活動中の大学生(22)から寄せられた「企業からの『サイレントお祈り』にストレスを感じる」という悩みが取り上げられた。マツコ・デラックスさんは「我慢しなさいよ、それが世の中っていうものよ」とあきれたが、就活生にとっては深刻な問題のようだ。

就活用語で「お祈り」とは、企業からの不採用通知のこと。文面に「今後益々のご活躍をお祈り申し上げます」といった言葉が使われることから名付けられた。「サイレントお祈り」は、その通知が送られてこない状態を意味する。マツコさんは番組で「(学生は)デリケートなんだから、(不採用通知を)出さないほうがいいっていう企業の気持ちも、分からなくはない」と持論を展開していた。

だが、企業が「採用通知の期限」を学生に伝えているならいいが、伝えていない場合、学生は待たされ続けることになる。こんな「サイレントお祈り」に、法的な問題はないのだろうか。また、学生が企業に合否をたずねた場合、企業は答える義務があるのだろうか。白川秀之弁護士に聞いた。

テレビ朝日系で7月上旬に放送されたバラエティ番組「マツコ&有吉の怒り新党」で、就職活動中の大学生(22)から寄せられた「企業からの『サイレントお祈り』にストレスを感じる」という悩みが取り上げられた。マツコ・デラックスさんは「我慢しなさいよ、それが世の中っていうものよ」とあきれたが、就活生にとっては深刻な問題のようだ。

就活用語で「お祈り」とは、企業からの不採用通知のこと。文面に「今後益々のご活躍をお祈り申し上げます」といった言葉が使われることから名付けられた。「サイレントお祈り」は、その通知が送られてこない状態を意味する。マツコさんは番組で「(学生は)デリケートなんだから、(不採用通知を)出さないほうがいいっていう企業の気持ちも、分からなくはない」と持論を展開していた。

だが、企業が「採用通知の期限」を学生に伝えているならいいが、伝えていない場合、学生は待たされ続けることになる。こんな「サイレントお祈り」に、法的な問題はないのだろうか。また、学生が企業に合否をたずねた場合、企業は答える義務があるのだろうか。白川秀之弁護士に聞いた。

●違法ではないが、誠実に対応すべき

「企業がサイレントお祈りをしたり、合否の問い合わせに答えなくても、違法ではありません」

このように白川弁護士は説明する。

「ただ、ハローワークを通じての求職について、厚生労働省は『求人受理時には、速やかに採用結果を通知するように指導する』『一定期間を経過しても連絡がない場合には、ハローワークから問い合わせる』としています」

法律違反でなくても、就活生にとっては重大事といえそうだが・・・。

「たしかに、就活の結果がわからなければ、今後の予定を立てることができなくなりますよね。

連合が2014年6月に発表した『就職活動に関する調査』では、『就職活動で不快な思いをした経験』を調べています。1位が『採用担当者の態度』(33.2%)、2位が『不採用であった場合に一切連絡がこない“サイレントお祈り”』(31.0%)という結果が出ています。このことからも、サイレントお祈りに対して、就活生が不快に感じていることがわかります」

就活生にとっては、せっかく採用に応募した企業。なのに、不快な思いをさせられたのでは、印象も悪くなりそうだ。

「そうですね。そもそも、就活中の学生は、求人への応募者である同時に、企業が提供する商品等を購入する消費者でもあります。消費者の立場に立ってみると、就活生にそっけない態度をとる企業の商品を購入したがるでしょうか。また、就職活動時の悪い印象が先輩から後輩へと伝わっていきかねません。

こうしたことから、法律で明確に禁止されていなくても、企業は『サイレントお祈り』のような方法はやめるべきでしょう。学生からの合否の問い合わせに対しても、誠実に対応する必要があると考えます」

白川弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る