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「県外行ったら自宅待機10日」職場のコロナルールが厳しすぎる…しかも有休強制?
2020年04月25日 09時21分

コロナ禍にあっても、在宅勤務ができない場合もある。そんな職場では、使用者がいつも以上に労働者の健康に神経をとがらせていることだろう。しかし、行きすぎが起こることも…。

「県外に行ったり、県外の人に会ったりしたら、自動的に10日間、自宅待機になるというルールができました」

弁護士ドットコムのLINEアカウントに体験談を寄せたのは、地方で働く女性だ。

「感染者が出た場所にいた、ということなら分かりますが、単に県外というのはやりすぎじゃないでしょうか」

しかも、待機中の10日は有給休暇をとるように言われているそうだ。

コロナ禍にあっても、在宅勤務ができない場合もある。そんな職場では、使用者がいつも以上に労働者の健康に神経をとがらせていることだろう。しかし、行きすぎが起こることも…。

「県外に行ったり、県外の人に会ったりしたら、自動的に10日間、自宅待機になるというルールができました」

弁護士ドットコムのLINEアカウントに体験談を寄せたのは、地方で働く女性だ。

「感染者が出た場所にいた、ということなら分かりますが、単に県外というのはやりすぎじゃないでしょうか」

しかも、待機中の10日は有給休暇をとるように言われているそうだ。

●有休は強制できない

日本労働弁護団に所属する山岡遥平弁護士は、「会社が有給休暇の取得を強制することはできません」と指摘する。

労働者の意見を聴取したうえで、会社が日にちを指定する方法もあるが(時季指定)、それも5日が限度だ。

「そもそも、職場がコロナを警戒するのはわかるのですが、単に『県外』というだけでは、何も症状がない人を休ませるに足る合理性はないでしょう」

●「ほかの労働者のため」も使用者の都合

もともとは海外からの帰国者が同様の対応をされることが多かった。

別の読者は帰国後、会社から有休で2週間休むように言われたといい、今も会社と揉めているそうだ。

山岡弁護士は次のように解説する。

「明らかに症状が出ているのであれば別ですが、症状がないのなら、働くことができますよね。

ほかの労働者のため、レピュテーションリスクのためというのは分かります。でも、リスクを避けるためという理由も、使用者側の都合であることには変わりません」

●政府が休業手当の大部分を助成

使用者にとってはかなり厳しい判断と言えるだろう。会社都合で休ませれば、賃金の全額(民法536条2項)、これに当たらなくとも、少なくとも平均賃金の60%以上の「休業手当」を労働者に払わないといけないからだ(労働基準法26条)。

そこで政府は、コロナ対策として、「雇用調整助成金」の対象を広げ、休業手当のかなりの部分を助成する仕組みをとっている。

申請には手間がかかるうえ、すぐに給付されるわけではないという問題点も指摘されているが、使用者にはこうした制度を活用し、労働者の安全と生活を保障することが望まれる。

業種にもよるだろうが、コロナ禍がいつ収まるとも分からない中、本当に職場に来ないとできない仕事なのかを精査したり、在宅でやる方法がないか模索したりすることも、もちろん重要だ。

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