12610.jpg
エホバと統一教会の2世が団体結成「救済法案は小さな一歩、私たちの世代で何とか食い止めたい」
2022年12月07日 15時19分

宗教2世問題を根絶するための当事者団体「宗教2世問題ネットワーク」が結成され、エホバの証人2世の団作さん、旧統一教会2世の山本サエコさん、高橋みゆきさん(いずれも仮名)が12月7日、東京都内で会見した。代表の団作さんが「個人で活動するのは限界を迎えつつある」などと設立の趣旨を説明、メンバーは主に20〜30代の11人だという。

国会で審議中の救済法案については実態と乖離しているとし、岸田文雄首相や全政党の議員らに修正を求める要望書を6日付で提出した。副代表の山本さんは「問題は山積しているが、この芽をつぶしてはならない。赤ちゃんみたいな法律、スモールステップでも徐々に広げていければ」と期待した。

宗教2世問題を根絶するための当事者団体「宗教2世問題ネットワーク」が結成され、エホバの証人2世の団作さん、旧統一教会2世の山本サエコさん、高橋みゆきさん(いずれも仮名)が12月7日、東京都内で会見した。代表の団作さんが「個人で活動するのは限界を迎えつつある」などと設立の趣旨を説明、メンバーは主に20〜30代の11人だという。

国会で審議中の救済法案については実態と乖離しているとし、岸田文雄首相や全政党の議員らに修正を求める要望書を6日付で提出した。副代表の山本さんは「問題は山積しているが、この芽をつぶしてはならない。赤ちゃんみたいな法律、スモールステップでも徐々に広げていければ」と期待した。

●新法施行で終わりじゃない

要望書では具体的には▽SNSで発信されているものも含めた被害の実態調査▽全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下、全国弁連)など有識者との連携ーなどを挙げ、与野党を越えた議論を求めた。

特に見直しのめどが「3年」とされている点は、「1年」にすべきだと主張。法テラス等に寄せられている被害実態を類型化することが必要だと訴えた。2〜3年では社会的関心が薄まるとの危機感がある上、1年ならば早期に検討部会ができるとの観測もある。今国会で成立する見通しだが「新法施行のみをもって被害者の救済がなされたと判断しないでほしい」と記した。

●これからの子どもたちのために

消費者庁の職員や一部の議員と6日に面会し、直接要望書を渡したといい、山本さんは「救済に関しては、与野党の垣根はないと強く感じました。政治、行政、国民が議論を深めていくことが必要です」と話した。

救済法は、過去の被害に関しては遡及されない。苦悩しながら幼少期を過ごしてきた3人にとって、今後もう被害者を生みたくないとの思いは強い。

「私たちは既に大人になってしまいましたが、2世問題は子どもの権利と健やかな成長をどうやって守るかということです」(団作さん)

「30年以上前に青春を返せ訴訟などがありました。ただ、抜本的な解決ができなかったから、今問題が生じています。私たちのところで何とか食い止めたい」(山本さん)

高橋さんは「当事者自身が直接被害を吐き出したいし、法案にも意見をしたい。一緒につくっていきたい。事後対応でなく、未然防止すべきです」と強調した。

ネットワークは全国弁連の阿部克臣弁護士が監事を務める。ツイッター@shukyo2sei_netのほか、ホームページを開設する。メールoyagacha.tot@gmail.com

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る