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元嫁に「クレジットカード」を勝手に使われた!離婚のときに注意すべきポイントとは?
2014年01月04日 16時05分

高級レストランでの支払いやネット通販の決済などに大活躍のクレジットカード。なかには、夫名義のクレジットカードを妻にも渡し、結婚生活に必要な品物の購入のために使えるようにしている家庭もあるかもしれない。夫婦仲が良いときは問題ないが、しかし万が一、「離婚」となれば思わぬ障害になる可能性がある。

あるネットの悩み相談サイトには、「元嫁が私の預かり知らぬところで私名義のクレジットカードを使い込んでいたらしく、50万円ほどの請求が私のところに届きました」という相談が投稿されている。このほかにも、元配偶者にカードを勝手に使われたという書き込みは、ちらほら見つかる。

本来であれば、離婚するときに、クレジットカードのことをきちんと整理しておくべきなのだろうが、うっかりそのままになってしまうこともあるのだろう。離婚の際、クレジットカードについて気をつけるべきこととして、どんな点があるだろうか。須山幸一郎弁護士に聞いた。

高級レストランでの支払いやネット通販の決済などに大活躍のクレジットカード。なかには、夫名義のクレジットカードを妻にも渡し、結婚生活に必要な品物の購入のために使えるようにしている家庭もあるかもしれない。夫婦仲が良いときは問題ないが、しかし万が一、「離婚」となれば思わぬ障害になる可能性がある。

あるネットの悩み相談サイトには、「元嫁が私の預かり知らぬところで私名義のクレジットカードを使い込んでいたらしく、50万円ほどの請求が私のところに届きました」という相談が投稿されている。このほかにも、元配偶者にカードを勝手に使われたという書き込みは、ちらほら見つかる。

本来であれば、離婚するときに、クレジットカードのことをきちんと整理しておくべきなのだろうが、うっかりそのままになってしまうこともあるのだろう。離婚の際、クレジットカードについて気をつけるべきこととして、どんな点があるだろうか。須山幸一郎弁護士に聞いた。

●「自分名義のクレジットカード」を家族に使わせたらダメ

「そもそもの前提として、自分名義のクレジットカードを配偶者や子供に渡して使用させてはなりません。

クレジットカードは通常、カード会社の規約や約款において、他人に使用させたり、使用させるために占有を移転することが禁止されています。まず、この点を確認してください」

つまり、クレジットカードの利用規約という観点からは、夫婦や親子も「他人」だということだ。

「ただし、カードの種類によっては、契約者の希望により、生計を共にする配偶者や満18歳以上の子が利用できる『家族カード』が発行される場合があります。

この場合、カード会社との関係では、家族カードの利用についての支払義務者はあくまでも契約者です。たとえば、夫がカードの契約者であれば、妻や子が使用した家族カードの利用額については夫が支払義務を負うことになります。

そして、このことは、離婚の前後を問いません」

自分名義の場合と家族カードの場合の両方があるわけだが、契約者に支払義務が生じることについては、同じと考えてよさそうだ。こうした前提のもと、離婚時の注意点を聞こう。

「離婚時の注意点ですが、万が一、配偶者に自分名義のクレジットカードの管理を任せていた場合には、配偶者から必ず自分のカードの返還を受けておく必要があります。

また、配偶者の家族カードについても、返還してもらったうえで、カード会社に解約の連絡をしておかなければなりません」

●カード会社に対して「支払わない」は通じない

もし、元配偶者に「不正使用」された場合の扱いは、どうなるのだろうか?

「自らカードを配偶者に渡していた場合、カード会社に対する支払いを免れるのは難しいでしょう。

カードの紛失や盗難等による不正使用については、保険が適用される場合がありますが、家族や同居人による不正使用は免責対象とされ、保険は適用されないとされているのが一般的です。

また、家族カードの解約手続きを失念し、離婚後に元配偶者に不正使用されてしまった場合でも、上記のとおり、支払義務者は契約者にありますから、支払わないまま放置すると延滞情報として信用情報機関に登録されてしまいます」

自分が契約者だった場合、カード会社に対する支払いを免れるということは難しそうだ。もしそういうケースが発覚した際には、どうすればいいのだろうか。須山弁護士は次のように指摘していた。

「すぐにカード会社にカードの利用停止の連絡をするとともに、いったんはカード会社に支払いを済ませる必要があります。そのうえで、元配偶者に対して、損害賠償請求等を行っていくことになるでしょう」

こうした場合、いったん支払いを済ませたうえで、元配偶者に対して「お金を返せ」と要求していくしかない、ということだろう。クレジットカードの扱いは、どんなときでも厳重に考えておいたほうがよさそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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