12823.jpg
恋人同士でツイッターを共同利用する「カップル垢」 別れた後に一方が使ったらダメ?
2015年10月23日 10時46分

ツイッター上で、恋人同士が一つのアカウントを共有することが、中高生の間で流行っているという。こうしたアカウントは、俗に「カップル垢」と呼ばれる。その特徴は、仲の良さそうな男女の写真がプロフィール画像として使用されていたり、2人の名前を組み合わせたアカウント名が使われているところだ。

投稿される内容も、記念日に関するものやデート話など、憎たらしくも微笑ましいものが多い。だが、若い2人だけに「別れ」もやってくる。そんなカップルの破局後、どうなるかというと、たいていは「別れました」などと簡単な告知が書かれるだけで、アカウントが削除されないまま残っていることも多い。カップルが別れても、アカウントそのものは分けることができないのだ。

そんなとき、別れた後に、カップルの一方が「カップル垢」を使い続けたら、どうなるのだろう。無断でログインしたり、勝手に書き込みをしたら、法的に問題ないのだろうか。IT問題にくわしい深澤諭史弁護士に聞いた。

ツイッター上で、恋人同士が一つのアカウントを共有することが、中高生の間で流行っているという。こうしたアカウントは、俗に「カップル垢」と呼ばれる。その特徴は、仲の良さそうな男女の写真がプロフィール画像として使用されていたり、2人の名前を組み合わせたアカウント名が使われているところだ。

投稿される内容も、記念日に関するものやデート話など、憎たらしくも微笑ましいものが多い。だが、若い2人だけに「別れ」もやってくる。そんなカップルの破局後、どうなるかというと、たいていは「別れました」などと簡単な告知が書かれるだけで、アカウントが削除されないまま残っていることも多い。カップルが別れても、アカウントそのものは分けることができないのだ。

そんなとき、別れた後に、カップルの一方が「カップル垢」を使い続けたら、どうなるのだろう。無断でログインしたり、勝手に書き込みをしたら、法的に問題ないのだろうか。IT問題にくわしい深澤諭史弁護士に聞いた。

●「不正アクセス禁止法」に違反する可能性も

「カップルが別れた後、一方が『カップル垢』を使い続けた場合、『不正アクセス禁止法』違反に問われる可能性があると考えます」

深澤弁護士はこう切り出した。不正アクセス禁止法とは、どんな法律なのだろうか。

「端的にいうと、正当な権利や許可がないのに、他人のパスワード等を入力してアカウントにログインする行為を処罰する法律です。違反した人は3年以下の懲役または100万円以下の罰金になります(同法3条・11条)。

なお、ログイン行為そのものが処罰されますので、『ログインしただけで、閲覧も投稿もしていない』という場合でも、処罰されます。このあたりは『住居侵入罪』のネット版だと考えてもらえれば、わかりやすいかと思います」

●「役割」を終えたアカウントは削除しておくのが無難

もともとは問題なく利用できた「カップル垢」を使い続けると、なぜ処罰される可能性があるのだろうか。

「まず、自分のアカウントや他人のアカウントに許可を得てログインすることは、犯罪に問われません。

なので、たとえば『カップル垢』が、もともと自分の個人アカウントであれば、『交際相手に譲渡した』というような事情でもない限り、交際終了後に使用しても問題がない可能性が高いでしょう。

一方で、もともと交際相手のアカウントだったり、あるいは2人で取得したというような事情であれば、半分ないし全部は他人のものといえますので、無断でログインすると、不正アクセスになる可能性が高いと考えます」

このように述べたうえで、深澤弁護士は次のように注意を呼びかけていた。

「ツイッターに限らず、SNSは日常を記録して公開するものであり、プライバシーが集積されているといえます。いわゆるリベンジポルノ問題にも共通するものがありますが、いくら信頼できる交際相手であるといっても、このようなセンシティブな情報(慎重な取り扱いを要する情報)の共有は避けるのが無難でしょう。

また、不正アクセスにならない場合であっても、交際関係終了後の投稿が名誉やプライバシーの侵害になると評価される場合もありえます。『役割』を終えたアカウントは削除しておくのが無難です」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る