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給与振込先の銀行指定、実は違法? 会社の指示にモヤモヤ、法律上は「現金払い」も可
2023年06月28日 10時07分

「パート先の職場で、給与の振込先は地元のA銀行のみと指定されましたが、拒否できるのでしょうか?」。そんな相談が、弁護士ドットコムニュースに寄せられました。

相談者はA銀行の口座を持っていません。勤務先に確認すると、ほかの銀行や現金支給には応じられないとの返答でした。弁護士ドットコムにも同様の相談が寄せられており、決して珍しいケースではないようです。

相談者は「法律上は、現金払いとか現金書留で送ったっていいはずです。勤務先の指定を拒否することはできるのでしょうか」と質問しています。徳田隆裕弁護士に聞きました。

「パート先の職場で、給与の振込先は地元のA銀行のみと指定されましたが、拒否できるのでしょうか?」。そんな相談が、弁護士ドットコムニュースに寄せられました。

相談者はA銀行の口座を持っていません。勤務先に確認すると、ほかの銀行や現金支給には応じられないとの返答でした。弁護士ドットコムにも同様の相談が寄せられており、決して珍しいケースではないようです。

相談者は「法律上は、現金払いとか現金書留で送ったっていいはずです。勤務先の指定を拒否することはできるのでしょうか」と質問しています。徳田隆裕弁護士に聞きました。

●「勤務先が一方的に指定できない」

——給与の振込先の銀行を勤務先が指定することはできるのでしょうか?

労働基準法施行規則7条の2第1項によれば、会社は、労働者の同意がある場合に、労働者が指定する銀行口座に、預金を振り込むことができると規定されています。また、厚生労働省の通達によりますと、給料の振込先の金融機関については、1つの銀行に限定せず、複数とする等、労働者の便宜に十分に配慮して定めることと規定されています。

そのため、労働基準法においては、給料の振込先の銀行を指定できるのは、労働者であり、勤務先が一方的に指定できないことになっています。

もっとも、給料の振込の手間を最小限にしたいために、会社が給料の振込先の銀行を指定してくることが多くありそうです。労働者としても、これから就職する会社とトラブルを起こしたくないため従うことがほとんどであり、トラブルが表面化していないのが現状なのでしょう。

●拒否された場合には?

——現金払い、現金書留の支給も法律上は認められているのでしょうか?

はい、労働基準法24条1項には、「通貨」で支払うことが規定されていますので、現金払いは可能です。今でも、社長が労働者に感謝を伝えるために、毎月、給料を現金手渡しで支払っている会社があると聞いたことがあります。

現金書留で支払っている会社は聞いたことはありませんが、労働基準法上、問題ないと考えます。

——もし勤務先が拒否した場合、労働者はどのように対応すればよいのでしょうか?

前述した労働基準法の法令や通達をもとに、給料の振込先は、労働者が指定できるので、会社に対して、労働者が希望する銀行口座への振込を認めてもらうように交渉するしかないです。それでも、会社が応じない場合には、労働基準監督署へ相談にいくのがよいでしょう。

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