「みんなでつくる党」の大津綾香代表が5月27日、都内で記者会見を開き、党の金を私的に流用した疑いがあるとして、党の前代表で政治団体「NHKから国民を守る党」の党首である立花孝志氏を業務上横領の疑いで警視庁に刑事告訴し、同日付けで受理されたと明かした。
●告訴人「党の借入金を原資に約3億5000万円を自己貸付した」と主張
大津氏の代理人弁護士によると、「みんなでつくる党」は2019年の参院選で国政政党になった「NHKから国民を守る党」が名称を変更した党で、2023年3月8日まで立花氏が代表をつとめていた。
立花氏はみんなでつくる党の代表だった2019年11月、YouTubeにアップした動画を通じて、年利5%、返済期限を定めない形で1口100万円の借入れを不特定多数の視聴者に呼びかけ、約5億円を集めたという。2021年11月以降も同様の手法で、計約8億円の借入れをおこなったという。
そして、それらの党の借入金を原資として、2022年12月末までに約3億5000万円を無利子、無担保で党から自己貸付し、その後、回収不能となっているとする。
告訴人の代理人をつとめる石森雄一郎弁護士は記者会見で、捜査に支障があるとして、約3億5000万円のうち業務上横領にあたる可能性がある金額を明かさなかったが、次のように述べた。
「立花氏の金が何に使われたのかはわからず、政治資金収支報告書にも載らないのでブラックボックス。どういうお金の使われ方をしたのかは、警視庁に調べてもらうしかない」
みんなでつくる党は2024年3月に破産開始決定を受けているが、大津氏は会見で「私が代表者になったことで党が破産したと思い込んでいる人がいるが、実際は私が代表者になる前に(立花氏が党の)お金を使い尽くしていた」と話した。
立花氏はXに投稿した動画で、3億5000万円は6年前の選挙の供託金などに使ったとし、「当然これは起訴すらされないので、ご安心ください」と話した。
(2025年5月28日追記:立花氏が刑事告訴に関する動画をXに投稿したことを受け、文末に立花氏の主張を追記しました)