1324.jpg
出会い系サイトで少女装い「援助交際」持ちかけたら書類送検…何がアウトだったの?
2017年03月25日 07時30分

18歳未満の少女を装って、出会い系サイトで「援助交際」を持ちかける書き込みをしたとして、京都府警の男性巡査部長が3月上旬、出会い系サイト規制法違反の疑いで書類送検された。

報道によると、巡査部長は昨年夏、自宅のパソコンで、出会い系サイトの掲示板に、18歳未満の女子児童を装って、援助交際をもちかける書き込みをしていたという。「面白半分でやった」などと供述し、容疑を認めているという。

なぜ少女を装ったことで、罪に問われたのか。刑事事件にくわしい中原潤一弁護士に聞いた。

18歳未満の少女を装って、出会い系サイトで「援助交際」を持ちかける書き込みをしたとして、京都府警の男性巡査部長が3月上旬、出会い系サイト規制法違反の疑いで書類送検された。

報道によると、巡査部長は昨年夏、自宅のパソコンで、出会い系サイトの掲示板に、18歳未満の女子児童を装って、援助交際をもちかける書き込みをしていたという。「面白半分でやった」などと供述し、容疑を認めているという。

なぜ少女を装ったことで、罪に問われたのか。刑事事件にくわしい中原潤一弁護士に聞いた。

●児童に関する禁止誘引行為は「何人も」してはならない

そもそも出会い系サイト規制法はどのような法律なのだろうか。

「この法律は、出会い系サイトを利用した児童買春等の犯罪が急増したことから、2003年に制定・施行されました。

その目的は、出会い系サイトの利用をきっかけとする児童買春などの犯罪から、児童(18歳未満の少年少女のこと)を保護して、児童の健全な育成に役立てることにあるとされています(出会い系サイト規制法1条)。

この法律が主に規制しているのは、(1)児童に関する誘因の禁止と(2)インターネット異性紹介事業をおこなおうとする人です」

一般のユーザーが対象になるのは、ほとんどが(1)だろう。

「この法律は、『何人も、インターネット異性紹介事業を利用して、禁止誘引行為をしてはならない』と規定しています(同6条)。『何人も』ですので、ここでは、大人でも、児童でも関係ありません。そして、『禁止誘引行為』としては、次の5つが規制されています。

(ⅰ)児童を性交等の相手方になるように誘引すること。

(ⅱ)児童以外の人を、児童との性交等の相手方になるように誘引すること。

(ⅲ)対償を払うことを示して、児童を異性交際(性交等を除く)の相手方となるように誘引すること。

(ⅳ)対償を受けることを示して、人と児童との異性交際(性交等を除く)の相手方になるように誘引すること。

(ⅴ)以上のほか、児童を異性交際の相手方となるように誘引し、または人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。

これらの行為をしてしまうと、出会い系サイト規制法違反となるのです。今回のケースは(ⅱ)にあてはまります」

大人が児童を装ったとしても、アウトなのだろうか。

「児童に関する禁止誘引行為は、『何人も』してはならないという点がポイントです。そして、実際に、児童を性交等の相手とする意思があったかどうかは、「禁止誘引行為』の成立に関係ありません。

今回書類送検されたケースのように、大人が『面白半分』で児童になりすましたとしても、『禁止誘引行為』にあてはまり、出会い系サイト規制法違反になってしまいます。ですから、本気でも、冗談でも、児童に関する禁止誘引行為をしてはいけません」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る