13483.jpg
「自殺してこいよ」妻が「旦那デスノート」に投稿…夫にバレた場合の法的リスク
2017年07月09日 09時34分

「旦那デスノート」がネット上で話題となっている。サイトにある説明によると、「旦那へ死んで欲しいという願いを書くものである。書く人物が自分の旦那じゃないと効果は得られない」とある。

6月27日現在で1200件以上の「デスノート」が集まっている。内容を見てみると、「保険金残して逝って下さい。」、「包丁あるから自殺して来いよまじで」、「死因はなんでもいい即死で」などと言った過激な書き込みも多い。

中には、夫や自分の職種や実家の場所、出会ったきっかけや自分の年齢、出身地などを記載し、個人の特定につながりかねないものもある。

夫が「旦那デスノート」を見て、「これは明らかに自分のことだ」と確信できる情報があった場合、妻の法的責任を問うことや、法律上の離婚理由とすることは可能なのだろうか。山岸陽平弁護士に聞いた。

「旦那デスノート」がネット上で話題となっている。サイトにある説明によると、「旦那へ死んで欲しいという願いを書くものである。書く人物が自分の旦那じゃないと効果は得られない」とある。

6月27日現在で1200件以上の「デスノート」が集まっている。内容を見てみると、「保険金残して逝って下さい。」、「包丁あるから自殺して来いよまじで」、「死因はなんでもいい即死で」などと言った過激な書き込みも多い。

中には、夫や自分の職種や実家の場所、出会ったきっかけや自分の年齢、出身地などを記載し、個人の特定につながりかねないものもある。

夫が「旦那デスノート」を見て、「これは明らかに自分のことだ」と確信できる情報があった場合、妻の法的責任を問うことや、法律上の離婚理由とすることは可能なのだろうか。山岸陽平弁護士に聞いた。

●プライバシー権の侵害や名誉毀損に該当するおそれ

近年は、離婚問題にインターネットでの情報発信に関するトラブルが関わってくることが増えています。

インターネットにおける情報発信には多様なものがあります。ここで重要なのは、まず、情報の内容が個人特定可能なものか否か。次に、個人特定可能なものだとすれば、書き込まれた人の権利を侵害する程度のものか否か。さらには、特定の人たち相手の発信なのか公開の場での発信なのか、です。

「旦那デスノート」は、匿名による公開の場での情報発信です。書き込みはハンドルネームで行われていますし、その内容は第三者から見ると誰のことかわからないものが多くなっています。

しかし、ハンドルネームではあっても、同一人の書き込みはリスト化されていますので、知り合いが見たときに個人特定可能に至ることがありえます。そして、個人特定可能となった場合には、書き込みの内容が実際の出来事に基づいているかいないかにかかわらず、夫に対するプライバシー権の侵害や名誉毀損に該当するおそれが高いといえます。

●リスクの高い行為をしていることを忘れないで

しかし、それが即座に離婚事由となるわけではありません。書き込みの内容のひどさにもよりますが、もし、妻による書き込みが夫に発覚しても、親族や知人に情報が広まらないうちに真摯に謝って書き込みを消すなどすれば、夫についての情報の拡散が一応防止されたことになりますから、その後夫婦としての共同生活を続けていける客観的な可能性はまだ残っているようにも思われます。

もちろん、「旦那デスノート」に個人特定できる形で書き込んでいたことが発覚したことで別居が始まり、別居期間が長くなることにより離婚理由に該当することは考えられますから、万が一書き込みが発覚したとしても謝れば大丈夫と思ってはいけません。本当の意味でやり直していくためにはかなりの努力が必要でしょう。

いずれにしても、「旦那デスノート」に書き込む女性は、誰にも見せない日記帳に夫の悪口を書くのとは全く異なる、リスクの高い行為をしているということを頭に置いておく必要があります。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る