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台風シーズンの「臨時休校」 どうやって決めているの?
2013年06月30日 15時10分

雨の多い季節になった。しとしとと長雨が続くだけでなく、一部地域に集中豪雨があったり、台風が発生したりしている。

大雨が長時間つづくと、河川が氾濫したり、土砂崩れが発生する。また、台風が上陸すると、凄まじい勢いの風が吹き荒れる。このような場合は、電車やバスなど公共交通機関は運休するし、小学校や中学校などは「臨時休校」になるかもしれない。

では、このような際の「臨時休校」はどう決められているのだろうか。法的な根拠はあるのだろうか。また、休校となる場合の判断基準などはあるのだろうか。宮島繁成弁護士に聞いた。

●休校の判断基準は、都道府県や市町村によってさまざま

「インフルエンザなどの感染症の場合は学校保健安全法に根拠がありますが、大雨や暴風などの警報が発表された場合の休校や下校措置については法令の根拠はありません。このため、公立の学校の場合は、各地の教育委員会があらかじめ基準やマニュアルを作っています」

このように宮島弁護士は説明する。法律で決められていないとなると、臨時休校の判断基準も教育委員会ごとに異なるということだろうか。

「はい。都道府県や市町村によってさまざまで、同じ警報でも、暴風波浪警報と大雨警報で運用を分けていることもあります。たとえば、暴風波浪警報が午前●時までに出ていたら休校、それ以外の警報は学校長が判断するといった具合です。さらに、学校ごとに独自に基準を決めていることもあります」

その結果、同じ警報が出ている地域でも、ある学校は登校しているのに隣の学校は休校ということも、現実には起こりうるということだ。基準や対応がバラバラというのは、何か問題はないのだろうか。

「天候や地形は地方ごとに違い、通学路の状況も校区ごとに異なりますので、必ずしも一律の統一的な基準が望ましいとは言えません。ただ、隣接する市町村レベルでは、基本的に同じ基準で運用する方が混乱が少なくなると思います」

子どもにとっては「臨時休校になれば、学校に行かなくていいから、ラッキー!」という感じだろうが、「臨時休校にすべきかどうか」を判断しなければいけない大人の側は大変だ。災害列島であるニッポンに住んでいる以上は仕方ないのだろうが・・・。

(弁護士ドットコムニュース)

雨の多い季節になった。しとしとと長雨が続くだけでなく、一部地域に集中豪雨があったり、台風が発生したりしている。

大雨が長時間つづくと、河川が氾濫したり、土砂崩れが発生する。また、台風が上陸すると、凄まじい勢いの風が吹き荒れる。このような場合は、電車やバスなど公共交通機関は運休するし、小学校や中学校などは「臨時休校」になるかもしれない。

では、このような際の「臨時休校」はどう決められているのだろうか。法的な根拠はあるのだろうか。また、休校となる場合の判断基準などはあるのだろうか。宮島繁成弁護士に聞いた。

●休校の判断基準は、都道府県や市町村によってさまざま

「インフルエンザなどの感染症の場合は学校保健安全法に根拠がありますが、大雨や暴風などの警報が発表された場合の休校や下校措置については法令の根拠はありません。このため、公立の学校の場合は、各地の教育委員会があらかじめ基準やマニュアルを作っています」

このように宮島弁護士は説明する。法律で決められていないとなると、臨時休校の判断基準も教育委員会ごとに異なるということだろうか。

「はい。都道府県や市町村によってさまざまで、同じ警報でも、暴風波浪警報と大雨警報で運用を分けていることもあります。たとえば、暴風波浪警報が午前●時までに出ていたら休校、それ以外の警報は学校長が判断するといった具合です。さらに、学校ごとに独自に基準を決めていることもあります」

その結果、同じ警報が出ている地域でも、ある学校は登校しているのに隣の学校は休校ということも、現実には起こりうるということだ。基準や対応がバラバラというのは、何か問題はないのだろうか。

「天候や地形は地方ごとに違い、通学路の状況も校区ごとに異なりますので、必ずしも一律の統一的な基準が望ましいとは言えません。ただ、隣接する市町村レベルでは、基本的に同じ基準で運用する方が混乱が少なくなると思います」

子どもにとっては「臨時休校になれば、学校に行かなくていいから、ラッキー!」という感じだろうが、「臨時休校にすべきかどうか」を判断しなければいけない大人の側は大変だ。災害列島であるニッポンに住んでいる以上は仕方ないのだろうが・・・。

(弁護士ドットコムニュース)

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