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「日本はシリア難民を年間1000人受け入れることができる」難民問題の専門家が会見
2015年10月02日 19時30分

中東・シリアの難民が国際的に大きな問題となっていることを受け、難民を支援しているNPOと弁護士が10月2日、東京・有楽町の外国特派員協会で会見し、海外メディアの記者たちに日本の難民受け入れの現状と、日本が果たすべき役割を説明した。

会見を開いたのは、NPO法人「難民を助ける会」の長有紀枝理事長と全国難民弁護団連絡会議代表の渡邉彰悟弁護士。渡邉弁護士は、シリア難民について、日本が1000人単位で受け入れることも可能だという見解を示した。

一方、長氏は「日本には、ヨーロッパの諸国とは違う、重要な役割が求められている」と指摘。資金援助のほか、高度な医療ケアやリハビリなどが必要な障害者、けが人などを国内に受け入れることで、大きな貢献ができると主張した。

中東・シリアの難民が国際的に大きな問題となっていることを受け、難民を支援しているNPOと弁護士が10月2日、東京・有楽町の外国特派員協会で会見し、海外メディアの記者たちに日本の難民受け入れの現状と、日本が果たすべき役割を説明した。

会見を開いたのは、NPO法人「難民を助ける会」の長有紀枝理事長と全国難民弁護団連絡会議代表の渡邉彰悟弁護士。渡邉弁護士は、シリア難民について、日本が1000人単位で受け入れることも可能だという見解を示した。

一方、長氏は「日本には、ヨーロッパの諸国とは違う、重要な役割が求められている」と指摘。資金援助のほか、高度な医療ケアやリハビリなどが必要な障害者、けが人などを国内に受け入れることで、大きな貢献ができると主張した。

●昨年の日本政府の難民認定は「11人」

日本では昨年、難民申請が5000人あったが、政府に難民と認定されたのは、わずか11人だった。

この点について、渡邉弁護士は「日本政府の難民認定のハードルはあらゆる面で高すぎる」と指摘した。「日本の認定基準は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のガイドラインからもかけ離れている。日本は、人権・人道問題に正面から向き合い、積極的に難民を受け入れるべきだ。シリア難民を受け入れることは、日本の安全保障にとっても重要な意味がある」と述べた。

昨年の難民認定率は0.2%だが、渡邉弁護士は「国際的な基準で判断すれば、毎年10%以上が認定されてもおかしくない」という。

●過去には「インドシナ難民」を1万人受け入れた実績あり

それでは、「シリア難民」について、日本は年間どれぐらいの人数を受け入れるべきなのだろうか——。

弁護士ドットコムニュースの記者がそう質問すると、長氏は次のように答えた。

「人道的に、特別な配慮が必要なけが人や病人の受け入れは、たとえば数十人でも大きなことだと思います。100人程度の目標を設定することがいいのではないか。一つの病院に集中させるのではなく、日本全国の病院に少しずつ散らばるような形での受け入れは、可能性があるのではないか」

一方、渡邉弁護士は、1970年代以降、ベトナム・ラオス・カンボジアなどで発生したインドシナ難民を、日本が累計で1万人受け入れた実績を強調。「日本は1981年の1年間で1200人のインドシナ難民を受け入れている。日本がシリア難民を年間1000人単位で受け入れても、全く不思議ではない。政治家がそう決意して、市民社会に訴えれば、受け入れは可能だ」と話した。なお、ニュージーランド政府は年間850人のシリア難民受け入れを表明しているという。

●「シリア難民を受け入れれば、中東の状況を知ることができる」

もし1000人単位のシリア難民を受け入れた場合、日本社会にはどんな影響があるだろうか。受け入れる体制は整っているのだろうか。

渡邉弁護士は「シリア難民を受け入れれば、シリア・中東の状況をより詳しく知ることができるうえ、難民を支援する日本の姿勢を世界に発信できる。日本の労働市場で、難民が日本人と大きく競合することはない。むしろ、難民が働ける環境をどうつくるか考えることのほうが必要だろう」と話した。

長氏も「日本に来た難民が直面する課題は、世代によっても変わる。私たち『難民を助ける会』は、学生世代の若い難民については、受験勉強を手伝ったりもする。インドシナ難民を1万人受け入れた実績があるので、1000人単位の受け入れは、それほど非現実的な数字ではない」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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