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ボクシング元日本王者、知人殴って大ケガさせる…「正当防衛」が認められる条件は?
2016年09月28日 10時05分

知人を殴ってケガを負わせたとして、元プロボクサーで、日本ウェルター級の元チャンピオンの男性が9月下旬、傷害の疑いで警視庁に逮捕された。

報道によると、男性は9月18日午後10時ごろ、東京都豊島区の公園で、ペルー国籍の知人の顔を殴ったり、踏みつけたりして、鼻の骨を折るなど3週間のケガを負わせた疑いが持たれている。当時、複数人で酒を飲んでいて、口論になったという。

警察の取り調べに対して、男性は「相手が殴りかかってきたため、とっさに手が出た」と供述したようだ。ボクシング経験者の場合、殴りかかってきた相手に反撃しても、正当防衛は認められないのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。

知人を殴ってケガを負わせたとして、元プロボクサーで、日本ウェルター級の元チャンピオンの男性が9月下旬、傷害の疑いで警視庁に逮捕された。

報道によると、男性は9月18日午後10時ごろ、東京都豊島区の公園で、ペルー国籍の知人の顔を殴ったり、踏みつけたりして、鼻の骨を折るなど3週間のケガを負わせた疑いが持たれている。当時、複数人で酒を飲んでいて、口論になったという。

警察の取り調べに対して、男性は「相手が殴りかかってきたため、とっさに手が出た」と供述したようだ。ボクシング経験者の場合、殴りかかってきた相手に反撃しても、正当防衛は認められないのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。

●ボクシング経験者でも正当防衛は認められるが・・・

「『ボクシング経験者だから正当防衛が認めらない』ということはありません。あくまでも、反撃行為がどのような攻撃行為に対してなされたものか、そのときの状況によって判断されます」

田沢弁護士はこう切り出した。そもそも正当防衛はどう定められているのだろうか。

「刑法は、『急迫不正の侵害に対して、自己または他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない』として、正当防衛が罪とならないことを定めています(刑法36条1項)。

一方で、『防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、または免除することができる』として、有罪であるものの、刑を減軽または免除できることを定めています。(同条2項)。こちらを過剰防衛といいます」

ボクシング経験者が相手に反撃した行為は、正当防衛といえるのか。

「ボクシング経験者の反撃行為の場合、もっぱら『やむを得ずにした行為』といえるのか、防衛行為の必要性・相当性の要件を充足するかという点が問題になります。

ここでいうところの防衛行為の必要性は『他にとるべき手段がない』といえるほど厳格なものは要求されていません。結局のところ、防衛行為として相当といえるのか、攻撃行為とそれに対する防衛行為を比較してバランスを失していないかという点に絞られます。

そうすると、たとえば、素人による素手での攻撃行為に対して、ボクシング経験者が反撃することは、通常、バランスを失していると考えられますので、正当防衛でなく、過剰防衛となることが多いと思います」

どんなときに正当防衛は認められるのか。

「ボクシング経験者の反撃行為とバランスを失しないような攻撃行為がなされている場合には、正当防衛が認められる可能性が高くなります。たとえば、相手が凶器で攻撃してくるような場合や、複数で襲いかかってきた場合です」

田沢弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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