14207.jpg
勤務先の身だしなみチェックがひどい 体臭嗅がれ、ズボンの上をコロコロ
2019年06月22日 09時46分

飲食店や接客業で大事なのが「身だしなみ」。従業員の服装や髪型チェックを入念におこなう店もあるようですが、弁護士ドットコムには過剰なチェックに困り果てている従業員から複数の相談が寄せられています。

回転寿司でパートをしている女性は、仕事に入る前に責任者から身だしなみチェックを受けることになっています。その際、スマホを持っていないか確認するため、粘着テープでズボンの上まで入念にコロコロされるそうで「不快です。違法ではないのですか」と聞いています。

また、遊技場のホール担当という女性は、不定期で身だしなみチェックがあります。男性スタッフは「俺が嗅いだらやばいから」と、女性スタッフに相談者の体臭を嗅がせ、「どう〇〇さんの体臭?今後の仕事に支障きたす?笑」、「んー、汗臭いです!」といった会話を笑いながらされたそうです。

女性は「恥ずかしい。これは人権侵害になりますか?」と訴えます。

こうした身だしなみチェックは、問題にならないのでしょうか。大山弘通弁護士に聞きました。

飲食店や接客業で大事なのが「身だしなみ」。従業員の服装や髪型チェックを入念におこなう店もあるようですが、弁護士ドットコムには過剰なチェックに困り果てている従業員から複数の相談が寄せられています。

回転寿司でパートをしている女性は、仕事に入る前に責任者から身だしなみチェックを受けることになっています。その際、スマホを持っていないか確認するため、粘着テープでズボンの上まで入念にコロコロされるそうで「不快です。違法ではないのですか」と聞いています。

また、遊技場のホール担当という女性は、不定期で身だしなみチェックがあります。男性スタッフは「俺が嗅いだらやばいから」と、女性スタッフに相談者の体臭を嗅がせ、「どう〇〇さんの体臭?今後の仕事に支障きたす?笑」、「んー、汗臭いです!」といった会話を笑いながらされたそうです。

女性は「恥ずかしい。これは人権侵害になりますか?」と訴えます。

こうした身だしなみチェックは、問題にならないのでしょうか。大山弘通弁護士に聞きました。

●過剰な身だしなみチェック「セクハラやパワハラに該当する可能性」

回転寿司でパートをしている女性は、ズボンの上をコロコロされているそうです。

「コロコロをされることについては、セクハラに該当する可能性があります。セクハラとは、職場における労働者の意に反する性的言動であって、労働者の対応によって、労働者に不利益を与えたり職場環境を害したりするものです。

性的言動の例には、身体への不必要な接触と言った性的な行動も含まれます。スマホの確認のために、あえてコロコロテープを利用して体を触る必要があるとは思えません。さらに、労働者がコロコロを止めて欲しいと何らかの抗議をしながらも、コロコロを続けているのであればそれはセクハラになり得ます」

遊技場のホール担当という女性は、体臭を嗅がれているそうです。

「これは、パワハラに該当する可能性があります。パワハラは、優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、就業環境を害するものです。

今回の件は、身だしなみチェックに名を借りて優越的関係を背景に、業務に必要とも思われないからかいのため、労働者を羞恥させて就業環境を害するものですから、パワハラに該当すると考えます。

今年5月には、いわゆるセクハラやパワハラをふくむ職場のハラスメント対策を定めたハラスメント規制法が成立しました。この法律によって、セクハラ・パワハラに対して声を挙げやすくなり、事業主には相談体制の整備などの防止対策をとることが義務付けられました。積極的に声をあげるようにしましょう」

弁護士ドットコム

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る