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成立しなければ意味がない? 共産党の「ブラック企業規制法案」をどう見るべきか
2013年11月13日 15時25分

長時間労働やサービス残業など、過酷な労働環境下で労働者を使い捨てにする、いわゆる「ブラック企業」を規制しようとする法案が、国会に提出された。7月の選挙で参議院の議員数を11人に増やし、単独で法案提出ができるようになった共産党が提出したものだ。

法案では、サービス残業が発覚した場合は残業代を2倍にし、パワハラ是正の勧告に従わない企業は名前を公表するなど、ブラック企業へのペナルティを強化することを求めている。また、企業に「離職者数の公表」や「求人広告の誇大表示の禁止」を義務づけるなど、求職者に正しい情報が伝わる仕組みを推進するとしている。

もともと違法行為であるはずのサービス残業やパワハラ。これが当たり前になっているブラック企業の実態が表面化してきている現状では、規制を強化する法律が必要なのかもしれない。今回提出されたブラック企業規制法案をどう見るか、中小企業の法律問題に力を入れている河野祥多弁護士に話を聞いた。

長時間労働やサービス残業など、過酷な労働環境下で労働者を使い捨てにする、いわゆる「ブラック企業」を規制しようとする法案が、国会に提出された。7月の選挙で参議院の議員数を11人に増やし、単独で法案提出ができるようになった共産党が提出したものだ。

法案では、サービス残業が発覚した場合は残業代を2倍にし、パワハラ是正の勧告に従わない企業は名前を公表するなど、ブラック企業へのペナルティを強化することを求めている。また、企業に「離職者数の公表」や「求人広告の誇大表示の禁止」を義務づけるなど、求職者に正しい情報が伝わる仕組みを推進するとしている。

もともと違法行為であるはずのサービス残業やパワハラ。これが当たり前になっているブラック企業の実態が表面化してきている現状では、規制を強化する法律が必要なのかもしれない。今回提出されたブラック企業規制法案をどう見るか、中小企業の法律問題に力を入れている河野祥多弁護士に話を聞いた。

●法案の基本思想は「極めてまっとうなもの」

「この法案は、昨今話題となっている『ブラック企業』に対して、行政(ペナルティの強化の側面)および一般社会(情報公開の側面)の両面から適切なプレッシャーを与えることで、ブラック企業の労働現場における違法状態の是正をはかることを目的としています」

河野弁護士こう述べる。では、法案をどう評価すべきだろう。

「法案の骨子は、『労働者に対する違法行為を許さない』という極めてまっとうなものです。そのための方法論についてはいろいろな意見があるかと思いますが、その基本思想は、法案の成否とは関係なく尊重されるべきものです。

実際に、従業員の幸せなくして永続的な会社の発展はありえません。法律の存否にかかわらず、そのような理念を持つ企業が増えることが本来のあるべき姿です」

このように河野弁護士は、共産党が提案したブラック企業規制法案の「理念」を高く評価する。

●法案提出の意義はどこにあるか?

だが、少数野党である共産党の法案が国会で成立するのだろうか。

「法案が成立するかどうかについて、政治的な観点から見れば、政党間の駆け引きの問題もありますし、技術的にも労働法全体との整合性をどのように整理していくのかという難しさがありますので、この法案がただちに成立する可能性は低いかと思われます」

法案が成立しなければ、提案しても意味がない?

「必ずしも、そうとは言い切れません。今回の法案提出行為によって、『労働者に対する違法行為を行わない』という問題意識を持つ会社が少しでも増えるきっかけになるのであれば、それだけでも法案提出の意義があるのではないでしょうか」

ブラック企業が社会問題化するなかで、労働者に対する企業の理不尽な行為をいかに減らすかが課題になっているのは間違いない。そのためにどのような手段をとるべきなのか。今回の「ブラック企業規制法案」の国会での審議を通じて、そのあたりの議論が深められることを望みたい。

(弁護士ドットコムニュース)

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