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「離婚したい!」と相手から言われたとき、最初に考えるべき3つのこと
2013年08月12日 18時25分

約23万組。日本で昨年一年間に「離婚」した夫婦の数である。夫と妻が双方同時に「離婚しよう!」と言うことはめったにないと考えられるから、ほとんどの夫婦では、どちらか一方が意を決して、相手に対し「離婚したい」と切り出しているのだ。

典型的なのは、外で不倫をしていた夫が妻に気づかれて、三下り半をつきつけられるケースだろう。では、「離婚したい」と言われた側はどう思うのか。たいていは不意をつかれて、戸惑うのではないだろうか。「まさか・・・」と絶句する人もいるだろう。

そんなとき、離婚を切り出された側は、最初にまず何を考えるべきだろうか。「離婚したい」と言われた人の案件を主に扱っているという冨本和男弁護士に、ポイントを聞いた。

●「離婚したい」と言われても、必ず「離婚」に至るわけではない

「離婚を切り出された場合、まず考えるべきは、(1)離婚するかどうか、離婚しなければいけないのかです」

このように冨本弁護士は1つ目のポイントをアドバイスする。

「外での不倫を妻に気付かれて離婚を切り出されたとしても、夫が誠意をもって謝り、ブランド物のバッグでも買ってあげて、離婚を避けられる場合もあるかと思います。

また、他の理由で離婚を切り出されたとしても、こちらが協議離婚や調停離婚に素直に応じなければ、裁判手続を経る必要があります。

そして裁判では、『婚姻を継続し難い重大な事由』がなければ、離婚は認められません。離婚を切り出されたからといって、必ず離婚に至るわけではないのです」

つまり、「離婚したい」とパートナーに言われたとしても、すぐに離婚が成立するわけではないということだ。まずは落ち着いて、今後どのようにすべきなのかをじっくり考えるべきだということだ。

●子どもへの影響や離婚後の暮らし方も、しっかり考えるべき

では、今後のこととして、何について考えたらいいのだろうか。冨本弁護士は、2つのポイントをあげる。

「離婚するかどうかの問題と絡みますが、特に考えるべきなのは、(2)離婚した場合の子どもへの影響と、(3)離婚後の生計をどうやって立てていくか、です。

精神的に未熟な子どもにとって、両親の離婚が与える影響は計り知れないと思われます。自分や配偶者の気持ちだけではなく、子どもの将来のためにどうしたらいいか、よく考える必要があります。

また、今まで専業主婦やパートであったのであれば、今後家賃がどれくらいところに住み、何をして生計を立てて行くのか真剣に考えないと、離婚してから路頭に迷いかねません」

一生連れ添うと約束した相手から「離婚したい」と告げられるのは、だれでも辛い体験だろう。しかし、ショックを受けたからといって、短絡的な行動に走ってしまっては、後で悔やむことになる。冷静に考えるために、離婚カウンセラーや弁護士など専門家に相談してみるのもいいだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

約23万組。日本で昨年一年間に「離婚」した夫婦の数である。夫と妻が双方同時に「離婚しよう!」と言うことはめったにないと考えられるから、ほとんどの夫婦では、どちらか一方が意を決して、相手に対し「離婚したい」と切り出しているのだ。

典型的なのは、外で不倫をしていた夫が妻に気づかれて、三下り半をつきつけられるケースだろう。では、「離婚したい」と言われた側はどう思うのか。たいていは不意をつかれて、戸惑うのではないだろうか。「まさか・・・」と絶句する人もいるだろう。

そんなとき、離婚を切り出された側は、最初にまず何を考えるべきだろうか。「離婚したい」と言われた人の案件を主に扱っているという冨本和男弁護士に、ポイントを聞いた。

●「離婚したい」と言われても、必ず「離婚」に至るわけではない

「離婚を切り出された場合、まず考えるべきは、(1)離婚するかどうか、離婚しなければいけないのかです」

このように冨本弁護士は1つ目のポイントをアドバイスする。

「外での不倫を妻に気付かれて離婚を切り出されたとしても、夫が誠意をもって謝り、ブランド物のバッグでも買ってあげて、離婚を避けられる場合もあるかと思います。

また、他の理由で離婚を切り出されたとしても、こちらが協議離婚や調停離婚に素直に応じなければ、裁判手続を経る必要があります。

そして裁判では、『婚姻を継続し難い重大な事由』がなければ、離婚は認められません。離婚を切り出されたからといって、必ず離婚に至るわけではないのです」

つまり、「離婚したい」とパートナーに言われたとしても、すぐに離婚が成立するわけではないということだ。まずは落ち着いて、今後どのようにすべきなのかをじっくり考えるべきだということだ。

●子どもへの影響や離婚後の暮らし方も、しっかり考えるべき

では、今後のこととして、何について考えたらいいのだろうか。冨本弁護士は、2つのポイントをあげる。

「離婚するかどうかの問題と絡みますが、特に考えるべきなのは、(2)離婚した場合の子どもへの影響と、(3)離婚後の生計をどうやって立てていくか、です。

精神的に未熟な子どもにとって、両親の離婚が与える影響は計り知れないと思われます。自分や配偶者の気持ちだけではなく、子どもの将来のためにどうしたらいいか、よく考える必要があります。

また、今まで専業主婦やパートであったのであれば、今後家賃がどれくらいところに住み、何をして生計を立てて行くのか真剣に考えないと、離婚してから路頭に迷いかねません」

一生連れ添うと約束した相手から「離婚したい」と告げられるのは、だれでも辛い体験だろう。しかし、ショックを受けたからといって、短絡的な行動に走ってしまっては、後で悔やむことになる。冷静に考えるために、離婚カウンセラーや弁護士など専門家に相談してみるのもいいだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

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