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「息子をいじめの加害者扱い…」 相手の主張をうのみにする学校、どう対応すべき?
2025年02月03日 09時58分
#いじめ加害者 #いじめ調査 #いじめの証拠 #LINEいじめ

息子が、いじめの加害者にさせられましたーー。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者によれば、息子のA君が、友人のB君をいじめたとの疑いをかけられているそうです。B君の母親が、学校に「いじめがあった」と連絡し、教員はB君の母親の話だけで、A君がいじめを行ったと決めつけたと相談者は考えています。

相談者がA君に話を聞くと、いじめを行ったことはないと話しているそうです。そこで相談者は、学校側にA君がB君をいじめた証拠を出すよう求めましたが、学校側は「いじめの目撃者はいない」と回答するのみでした。

相談者としては、今後も新たなトラブルが生じるのではないかと不安に感じているようですが、どのように対処すべきでしょうか。植野剛弁護士に聞きました。

息子が、いじめの加害者にさせられましたーー。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者によれば、息子のA君が、友人のB君をいじめたとの疑いをかけられているそうです。B君の母親が、学校に「いじめがあった」と連絡し、教員はB君の母親の話だけで、A君がいじめを行ったと決めつけたと相談者は考えています。

相談者がA君に話を聞くと、いじめを行ったことはないと話しているそうです。そこで相談者は、学校側にA君がB君をいじめた証拠を出すよう求めましたが、学校側は「いじめの目撃者はいない」と回答するのみでした。

相談者としては、今後も新たなトラブルが生じるのではないかと不安に感じているようですが、どのように対処すべきでしょうか。植野剛弁護士に聞きました。

●「子どもの利益を守ることが最優先」

ーー今回のようなケースに対応する際のポイントを教えてください。

いじめが問題となる事案で最も大切な視点は、子ども達の利益を守ることが最優先されなければならないということです。

今後、子ども達が安心して学校に通えるようになるには、どのような解決方法が最適かを考えなければなりません。

本件では、いじめ行為の有無によって相談者の対応が異なることが想定されます。

加害者であるA君と被害者であるB君のいじめ行為への認識が全く違っていますから、まずはどのような事実があったのかをしっかり確認する必要があります。

学校はいじめ行為があったと認定しているとのことですから、学校にいじめ行為を認定した根拠を確認すべきです。

ただし、学校と親権者が対立関係になってしまうのは良い解決に繋がりません。

親権者と学校とが協力し、子ども達が再び安心して学校に通えるようになるにはどうしていくのがよいかを一緒に考えていくことが解決への第一歩だと考えます。

●「調査報告書は有力な証拠になり得る」

ーーいじめが存在したことの証明はどのように行われるのでしょうか?

いじめがあったことの立証方法は様々考えられますが、例えば、身体的な加害であれば診断書や怪我の画像等が証拠となり得ますし、最近はLINEのメッセージがいじめの証拠として提出されることがあります。

その他、学校がいじめ行為を認識した場合、学校はその有無や事実関係を調査する措置を速やかに講じる必要があり、調査が行われた場合、通常は調査報告書が作成されます。

調査報告書が作成されている場合は、その記載内容が有力な証拠となり得ます。

●子と親どちらも賠償責任を負う可能性

ーー仮にいじめがあったと認定された場合、いじめを行った子どもやその親にどのような責任が生じますか?

まず民事についてですが、いじめを受けたことにより、被害を受けた子どもの生命身体や財産が侵害された場合、いじめを行った子どもは損害賠償責任を負うのが原則です(民法709条)。

もし、いじめを行った子どもに責任能力がない場合は、監督義務を怠らなかった等の立証をしない限り、親権者が法定の監督責任を負います(民法714条1項)。

子どもの責任能力の有無について明確な基準はありませんが、概ね11歳から12歳くらいから責任能力が認められると考えられています。

一方、子どもに責任能力がある場合、親権者が法定の監督責任を負うことはありません。

しかし、親権者が子どもの監督義務者であることは変わりませんので、その監督義務違反と子どものいじめ行為によって生じた結果との間に相当因果関係が認められれば、親権者も損害賠償責任を負う場合があります。

●刑事責任は原則、親は問われず

ーー刑事責任はどうなりますか?

まず大前提として、子どもがやったことだからといって犯罪にならないということはありません。

例えば、被害を受けた子どもが怪我をした場合は傷害罪が成立します。

もっとも、実際に刑事責任が問われ得るかは、いじめを行った子どもの年齢によります。

刑法では「14歳に満たない者の行為は、罰しない」(刑法41条)とされており、13歳以下の子どもに刑法の適用はありません。

13歳以下の子どもは「触法少年」と呼ばれ、刑事責任は問われませんが、警察の調査を受け、事件が重大である場合等は児童相談所へ通告されます。

対して、14歳以上の子どもは、警察の捜査を受けた後、家庭裁判所へ送致されます。

なお、親権者は、子どもと共犯関係にある等の特殊なケースを除いて、子どもがやったことについて刑事責任を問われることはありません。

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