14688.jpg
若い女性と「混浴温泉旅行」を計画中の夫が許せない! 「離婚原因」になるのか?
2016年02月06日 10時40分

夫が若い女性と混浴温泉旅行の計画を立てている――。サイバーエージェントが運営する女性向け匿名掲示板サービス「GIRL’S TALK」に投稿された相談が、ネットで話題になった。

相談者の女性(27歳)は昨年10月に結婚したばかり。ところが、夫は、会社の男性上司(2人)やその知人女性(3人)と一緒に、一泊二日の「混浴温泉旅行」にいく計画を立てているという。参加する女性の年齢は、24〜25歳だそうだ。

相談者は夫の携帯をのぞいたとき、メッセージアプリ「LINE」の履歴で、夫の旅行計画を知ったそうだ。LINEのグループチャットには、温泉旅館の大部屋にみんなで宿泊するような内容が書かれていた。つまり、男女同室ということだ。さらに、「美味しいもの食べて温泉入ろうね」「財布は置いてきていいよ」「えー楽しみードキドキするー」といった会話も残されていた。

このようなLINEの内容に対して、相談者の女性は「どーーーしても許せません」「角を立てずに辞めてもらうにはどうしたらいいのでしょうか」と悩みを打ち明けている。もし夫がこのまま温泉旅行に出かけた場合、妻が絶対に許せなくて「もう、離婚してやる!」と言ったら、認められるのだろうか。男女の問題にくわしい村上真奈弁護士に聞いた。

夫が若い女性と混浴温泉旅行の計画を立てている――。サイバーエージェントが運営する女性向け匿名掲示板サービス「GIRL’S TALK」に投稿された相談が、ネットで話題になった。

相談者の女性(27歳)は昨年10月に結婚したばかり。ところが、夫は、会社の男性上司(2人)やその知人女性(3人)と一緒に、一泊二日の「混浴温泉旅行」にいく計画を立てているという。参加する女性の年齢は、24〜25歳だそうだ。

相談者は夫の携帯をのぞいたとき、メッセージアプリ「LINE」の履歴で、夫の旅行計画を知ったそうだ。LINEのグループチャットには、温泉旅館の大部屋にみんなで宿泊するような内容が書かれていた。つまり、男女同室ということだ。さらに、「美味しいもの食べて温泉入ろうね」「財布は置いてきていいよ」「えー楽しみードキドキするー」といった会話も残されていた。

このようなLINEの内容に対して、相談者の女性は「どーーーしても許せません」「角を立てずに辞めてもらうにはどうしたらいいのでしょうか」と悩みを打ち明けている。もし夫がこのまま温泉旅行に出かけた場合、妻が絶対に許せなくて「もう、離婚してやる!」と言ったら、認められるのだろうか。男女の問題にくわしい村上真奈弁護士に聞いた。

●男女混浴・同室だけでは「不貞な行為」とはいえない

「まず先に、相談者の女性が『旅行に行くのをやめないなら離婚だ!』と伝えて、夫が『OK』すれば離婚することができます。離婚は、当事者間で合意すれば、特に理由は必要ないからです」

夫が離婚に応じなかったら、どうなるのだろうか。

「この場合、裁判で、民法に定められた『離婚原因』を主張することになります。少し難しくなりますが、今回考えられる離婚の原因は次の2つです。

(1)配偶者に不貞な行為があったとき(民法770条1項1号)

(2)婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(同5号)」

それぞれどういうケースなのだろうか。

「(1)の『不貞な行為』というのは、『自由な意思に基づいて配偶者以外の人と性的関係を結ぶこと』をいいます。

今回の旅行は、男女混浴・同室とはいえ、会社の上司2名がいます。必ずしも性的関係を結ぶとはいえず、『不貞な行為』とは認められにくいでしょう。

もちろん、関係者が肉体関係を認めたり、LINE上で肉体関係を思わせる内容のものが出てくれば話は別です」

●「納得できるまで徹底的に話し合ったほうがいい」

では、(2)はどういうケースなのだろうか。

「夫婦関係が回復の見込みがない程度に破綻していると、(2)にあたると考えられています。

男女一緒の旅行でも、部屋が男女別々で入浴も別であれば、それほど不自然なことではないので、それが原因で『夫婦が破綻』とはいいづらいです。

たしかに、今回のケースは、男女混浴・同室、LINE上で若干怪しいやりとりがあります。普通の職場の旅行とは違うように思えます。相談者の女性にとっては非常に不愉快ですよね。

しかし、この旅行が一度きりでご夫婦間にほかに問題がなければ、『夫婦関係が回復の見込みがない程度に破綻している』とはいえない可能性が高いです。裁判所は、『破綻しているか』について、一時点の事実だけから判断せず、夫婦のいろいろな事情をみて判断します。

たとえば、この件をめぐって、(a)夫婦間で喧嘩を繰り返す、(b)夫がこのような旅行を今後も繰り返したり、参加者の女性と頻繁に遊びに行く、(c)夫婦間に性交渉がない、(d)夫が開き直って暴言を繰り返す、(e)別居する、などの事情が出てくれば、『夫婦関係が破綻し回復の見込みがない』と判断される可能性はあります」

村上弁護士はこのように法律的な説明したうえで、次のようにアドバイスしていた。

「相談者の女性は、『角を立てずに・・・』なんて考えず、納得できるまで徹底的に話し合ったほうがいいですよ。ぶつかり合うことを避けると、一方が我慢したり、理解し合えない夫婦になってしまいますからね」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る