14719.jpg
東京弁護士会が岡口氏罷免判決を厳しく批判 「曖昧基準で判断、萎縮招く」会長声明
2024年04月24日 17時13分
#法曹

東京弁護士会(上田智司会長)は4月24日、岡口基一裁判官の罷免判決に抗議する会長声明を出した。「証拠裁判主義を否定して弾劾裁判制度の根幹を揺るがした上、適切な基準なく判断して裁判官の身分保障や表現の自由を危うくする論理によってなされた」と厳しく批判している。

東弁は2022年1月12日付で弾劾裁判所に対し、「裁判官の独立を尊重し、慎重な判断を求める意見書」を出し、過去の事例との比較などをした上で「威信を著しく失うべき非行」かどうか十分に審理を尽くすべきだと指摘。罷免による萎縮効果についても、最大限に考慮するよう求めていた。

しかし4月3日の罷免判決は、これらの点について反映されておらず、証拠に基づき事実を認定する証拠裁判主義を正面から否定する内容だとしている。

「『著しく』の定義は曖昧で、過去の例を重視しない不明確な基準に基づく」判決は、裁判官の行為の萎縮を招くと説明。「『司法に対する国民の信頼』を害したかどうかの認定は、その時々の弾劾裁判所を構成する裁判員の良識に依存する」などとした点についても、裁判員による恣意的な判断で容認できないとしている。

東京弁護士会(上田智司会長)は4月24日、岡口基一裁判官の罷免判決に抗議する会長声明を出した。「証拠裁判主義を否定して弾劾裁判制度の根幹を揺るがした上、適切な基準なく判断して裁判官の身分保障や表現の自由を危うくする論理によってなされた」と厳しく批判している。

東弁は2022年1月12日付で弾劾裁判所に対し、「裁判官の独立を尊重し、慎重な判断を求める意見書」を出し、過去の事例との比較などをした上で「威信を著しく失うべき非行」かどうか十分に審理を尽くすべきだと指摘。罷免による萎縮効果についても、最大限に考慮するよう求めていた。

しかし4月3日の罷免判決は、これらの点について反映されておらず、証拠に基づき事実を認定する証拠裁判主義を正面から否定する内容だとしている。

「『著しく』の定義は曖昧で、過去の例を重視しない不明確な基準に基づく」判決は、裁判官の行為の萎縮を招くと説明。「『司法に対する国民の信頼』を害したかどうかの認定は、その時々の弾劾裁判所を構成する裁判員の良識に依存する」などとした点についても、裁判員による恣意的な判断で容認できないとしている。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る