14910.jpg
子どもの貧困対策「票にならないので政治家が関心を持たない」支援団体が指摘
2016年11月21日 18時20分

「子どもの貧困」について、教育や食事を支援することから解決しようと試みているグループの代表たちが11月21日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会代表幹事の青砥恭さんは「日本の子どもの貧困対策は欧米にくらべて非常に遅れている」と指摘した。

「子どもの貧困」について、教育や食事を支援することから解決しようと試みているグループの代表たちが11月21日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会代表幹事の青砥恭さんは「日本の子どもの貧困対策は欧米にくらべて非常に遅れている」と指摘した。

●「子どもの貧困」問題はなぜ大切か

この日の会見では、政府が11月8日に発表した「日本の未来を担うみなさんへ」と題する安倍晋三首相のメッセージに対する評価についての質問があった。メッセージには、次のように書かれている。

「あなたは決してひとりではありません。こども食堂でともにテーブルを囲んでくれるおじさん、おばさん。学校で分からなかった勉強を助けてくれるお兄さん、お姉さん。あなたが助けを求めて一歩ふみだせば、そばで支え、その手を導いてくれる人が必ずいます」

経済的な理由で食事を満足に取れない子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」を全国に先駆けてつくったNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林千絵子さんはこの日の会見で、「地域の人たちに『子どもの貧困』を伝えても、見えないからわからない。見えない問題を見えるようにしたのは大きな一歩」と一定の評価を示した。「市民と行政が一緒に取り組んでいく必要がある」と付け加えた。

一方、青砥さんは「安倍首相は『子どもの貧困』に関心がない。票にならないからだ。日本の小選挙区制のもとでは、きわめた現実的で直面した課題をやっていくことが中心になっていく」「子どもの貧困問題はなぜ大切か。日本社会の30〜40年後が決定するからだ」と指摘した。

そのうえで、青砥さんは「現実の世界しか見えない政治家には、子どもが30〜40年後どのような生活を送るかということが見えてこない。2020年のオリンピックは予想できても、2060年には人口が8000万人になるかもしれないということは見えていない。私たちはそこを問題にしている」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る