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軟式高校野球で延長50回「世紀の死闘」 投げすぎで選手が故障した場合の責任は?
2014年09月02日 16時00分

延長50回、4日間にわたる「世紀の死闘」がついに決着――。全国軟式高校野球選手権大会の準決勝で、中京(東海・岐阜)対崇徳(西中国・広島)はなかなか決着がつかず、3回のサスペンデッド(一時停止)試合を繰り広げた。勝負がついたのは、なんと延長50回。8月31日に中京が3-0で勝利した。

高野連によると、硬式の全国高校野球選手権大会の場合、延長15回を終えると「引き分け再試合」となるが、軟式の場合は点が入りにくいこともあり、延長したイニングで点差がつけば勝敗が決まる「サスペンデッド試合」を導入している。しかし、今回はなかなか決着がつかなかった。

今回は、決勝戦の日程が決まっていたので、それまでに決着をつけなければならなかった。そのため、54回を上限としていたが、ルール上は回数制限はないという。

報道によると、両校とも1人の投手が50回を投げ抜き、投球数は中京の松井大河投手が709球、崇徳の石岡樹輝弥投手が689球に達した。選手の健康面から、仕組みを見直すべきだという意見も出ている。もし「投げすぎ」で投手が故障してしまった場合、誰に責任があるのだろうか。野球にくわしい大久保誠弁護士に聞いた。

延長50回、4日間にわたる「世紀の死闘」がついに決着――。全国軟式高校野球選手権大会の準決勝で、中京(東海・岐阜)対崇徳(西中国・広島)はなかなか決着がつかず、3回のサスペンデッド(一時停止)試合を繰り広げた。勝負がついたのは、なんと延長50回。8月31日に中京が3-0で勝利した。

高野連によると、硬式の全国高校野球選手権大会の場合、延長15回を終えると「引き分け再試合」となるが、軟式の場合は点が入りにくいこともあり、延長したイニングで点差がつけば勝敗が決まる「サスペンデッド試合」を導入している。しかし、今回はなかなか決着がつかなかった。

今回は、決勝戦の日程が決まっていたので、それまでに決着をつけなければならなかった。そのため、54回を上限としていたが、ルール上は回数制限はないという。

報道によると、両校とも1人の投手が50回を投げ抜き、投球数は中京の松井大河投手が709球、崇徳の石岡樹輝弥投手が689球に達した。選手の健康面から、仕組みを見直すべきだという意見も出ている。もし「投げすぎ」で投手が故障してしまった場合、誰に責任があるのだろうか。野球にくわしい大久保誠弁護士に聞いた。

●痛みを訴えているにも関わらず、登板させた場合は?

「何球投げたら肩や肘を痛めるという明確な医学データはなく、1試合で160球くらい投げても基本的に問題はありません。

『球数』と言っても、1試合のみで判断するのか、あるいは連投した場合の球数で判断するのか、それすらも判然としないのです」

ただ、今回の場合は、両校の投手とも、準決勝の4日間で約700球を投げた。

「さすがに驚きました。新聞記事を読む限り、腕や腰の『張り』があるなかで投げたようです。怪我がなければよいのですが・・・」

では、「投げすぎ」で故障した場合、監督や学校は何らかの責任を問われる可能性があるのだろうか。

「投手が痛みを訴えているにもかかわらず監督が登板をさせ、肩や肘を壊して選手生命を断たれたという場合、監督や学校は法的な責任(賠償責任)を問われる可能性があります。

そうでない場合は、法的責任を問われないと一応は言えるでしょう。賠償の対象となるのは、治療費や入通院費、慰謝料、後遺障害に対する逸失利益というところでしょうか。

しかし、チームの雰囲気から、痛みを訴えること自体が容易でないということも考えられます。やはり、『連投制限』を設けたほうがいいのではないでしょうか」

このように大久保弁護士は述べていた。

高野連はすでに、投手の投球数制限や投球回数制限、タイブレーク(延長戦で走者を置いた状態から始め、早期決着を図るルール)の導入などについて、加盟校へのアンケートを実施しており、結果を踏まえて、今後の仕組みについて検討するという。選手生命に関わる問題だけに、注目が集まりそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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