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フードデリバリー配達員6割が「満足」、「好きな時にオンオフ」「コロナ禍で救いに」 フリーランス協会が調査
2022年03月29日 15時11分

プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(平田麻莉代表理事)は3月29日、「フリーランス白書2022」を公表し、フードデリバリー配達員の大規模な実態調査の結果を発表した。配達員の約6割が「配達業務に満足している」と回答し、時間の制約がなく好きな時間に働き収入が得られること、煩わしい人間関係がない自由さに満足していることが分かった。一方で、突然のアカウント停止や報酬の内訳の不透明さなどに不満を感じているという回答もあった。

画像タイトル 報告するプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の平田麻莉代表理事

プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(平田麻莉代表理事)は3月29日、「フリーランス白書2022」を公表し、フードデリバリー配達員の大規模な実態調査の結果を発表した。配達員の約6割が「配達業務に満足している」と回答し、時間の制約がなく好きな時間に働き収入が得られること、煩わしい人間関係がない自由さに満足していることが分かった。一方で、突然のアカウント停止や報酬の内訳の不透明さなどに不満を感じているという回答もあった。

画像タイトル 報告するプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の平田麻莉代表理事

●9割弱がコロナ禍で就業スタート

調査は2021年12月20日から2022年1月16日の期間にインターネット上で行い、1万7153人から回答を得て、このうち6カ月以内に配達業務を行っていないなどの要件を除く1万3844人の回答を集計した。回答者の属性は男性が約9割で女性は約1割。個人事業主が47.6%と最も多く、会社員(27.9%)、フリーター(9.4%)と続く。年齢は20~40代が全体の約8割だった。

配達員の就業期間は2年未満が9割弱を占めた。「多くがコロナ禍で就業をスタートしていることがわかる」(同協会)。1週間の平均稼働時間は週40時間未満が全体の約8割。1週間の平均報酬額を尋ねたところ、「1~3万円未満」が29.4%で最も多く、1週間の最高報酬額については「5~10万円未満」が27.9%で最も多かった。

満足度を聞く設問では、「非常に満足」と回答した人が13.9%、「やや満足」は48.5%で合わせて全体の6割だった。一方で「やや不満」「非常に不満」と回答した人は18.1%いた。今の働き方に対する満足度では「プライベートとの両立」「収入」の2項目で、フリーランス全体を上回っていた。満足度の自由回答では「好きな時にオンオフできる」「コロナ禍で職を失ったが、面接がなく登録後にすぐに働けるフードデリバリーの仕事が救いになった」などの回答があった。

一方で業務に対し不満に感じている点では「突然アカウントが停止されて、仕事がなくなる恐れがある」「社会的に最底辺に見られ、イメージが悪く罵声を浴びることがある」「自転車のそばに置いたバッグの中へゴミを入れられたり、パンクさせたれたりしたことも自分だけではなく、他の配達員から聞いたことがある」などの声も上がった。

40代の男性は働きやすさについて「時間が自由で、いつでも休憩がとれる。収入も会社員時代と比べて倍になった」と回答。一方で「配達中もずっとスマホを気にする必要があり、いずれ大きな事故が起きそう」と安全面を心配した。

フリーランス協会は実態調査の結果をフードデリバリー事業者でつくる日本フードデリバリーサービス協会と情報共有した。日本フードデリバリーサービス協会はこの実態調査結果などを踏まえ、配達員の就業環境の整備に向けたガイドラインを策定した。

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●インボイス対応は約4割が「わからない、答えたくない」

このほか「フリーランス白書2022」では、1254人から回答を得たフリーランスの実態調査の結果も報告した。2023年10月から始まる消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)の対応策では「わからない、答えたくない」と回答した人が43.2%と最も多かった。クロス集計ではエンジニアやコンサルタントは課税事業者として登録意向がある人が5割を超えた。

(ライター・田中瑠衣子)

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