1525.jpg
職場の引き出しから「ポッキー」持ち去るのって泥棒では?「ありえない同僚」に怒りの声相次ぐ…コーヒー、鼻セレブ、頭痛薬まで
2025年05月24日 09時48分
#窃盗 #安全配慮義務 #ポッキー #鼻セレブ

職場の机の引き出しに入れていた「ポッキー」がある日なくなっていた──。こんな内容の投稿がXで注目を集めました。ポッキーは同僚が勝手に食べていたそうです。

この投稿を受けて、同僚に私物を勝手に持って行かれてしまった人たちによる怒りの体験談が相次ぎました。

「机の上にインスタントコーヒー置いていたら、こっそり飲まれていた」 「引き出しの中に置いてあった頭痛薬を無言で箱ごと持っていかれた」

さらには「箱ティッシュ」を勝手に使われたという人もいました。高級ティッシュとして知られる「鼻セレブ」だったそうです。

こうした投稿に対して「勝手に他人の引き出しを開けるとか信じられない」「職場の食い尽くし系?」「ただの犯罪では?」といった批判も上がっています。

一つひとつの金額は小さいかもしれませんが、私物を勝手に持っていかれた人たちは釈然としないようです。こうした被害に「打つ手」はないのでしょうか。竹内省吾弁護士に聞きました。

職場の机の引き出しに入れていた「ポッキー」がある日なくなっていた──。こんな内容の投稿がXで注目を集めました。ポッキーは同僚が勝手に食べていたそうです。

この投稿を受けて、同僚に私物を勝手に持って行かれてしまった人たちによる怒りの体験談が相次ぎました。

「机の上にインスタントコーヒー置いていたら、こっそり飲まれていた」 「引き出しの中に置いてあった頭痛薬を無言で箱ごと持っていかれた」

さらには「箱ティッシュ」を勝手に使われたという人もいました。高級ティッシュとして知られる「鼻セレブ」だったそうです。

こうした投稿に対して「勝手に他人の引き出しを開けるとか信じられない」「職場の食い尽くし系?」「ただの犯罪では?」といった批判も上がっています。

一つひとつの金額は小さいかもしれませんが、私物を勝手に持っていかれた人たちは釈然としないようです。こうした被害に「打つ手」はないのでしょうか。竹内省吾弁護士に聞きました。

●お菓子を無断で食べれば窃盗罪だが…

——職場で他人のお菓子を無断で食べたり、頭痛薬を勝手に持ち去る行為は、窃盗罪などの罪に問われる可能性はありますか。

お菓子を無断で食べる行為や頭痛薬を勝手に持ち去る行為は窃盗罪(刑法235条)に該当します。

ただし、犯罪に該当はするものの、実際に起訴されて前科がつくかというと、程度次第ですが、可罰的違法性がないと判断されて起訴されず、前科がつかないケースが多いと思います。

「ポッキー1袋、机にポンと置かれていたものを、ほんの一回食べてしまい、バレたあとその同僚にお詫びにプレミアムポッキーをプレゼントして受け入れてもらった……」といったようなケースでは、起訴されることは少ないでしょう。

一方で、数千円から数万円するような高級お菓子を同僚の引き出しの中から頻繁に持ち去るなどといったケースでは、起訴される可能性は十分にあります。

●同僚に損害賠償請求できる?

——盗まれたものが少額でも、盗んだ同僚に対して、損害賠償請求は可能なのでしょうか。

盗んだものがポッキー1袋など少額であっても、同僚には不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)が生じますので、請求することが可能です。

しかし、非常に少額ですので、同僚が任意の支払いに応じない場合、少額訴訟などの手続きをすることは現実的ではないでしょう。

執拗に窃盗を繰り返すような場合や、ことさら緊急性・必要性の高い薬を盗んでいくなど、嫌がらせ目的と取れるような場合には慰謝料の請求もあり得ます。ただ、それでもせいぜい数万円程度が見込まれ、高額になるのは稀です。

●会社に「職場環境を安全に保つ義務」がある

——こうした私物を勝手に持って行かれることを上司に相談したところ、「取られる方も悪い」と言われた人もいるそうです。従業員からこうした被害の相談があった場合、会社には何か対応する義務などはありますか。

取られるほうは悪くありませんよね。

会社としては、安全配慮義務(労働契約法5条)により、職場環境を安全に保つ義務があります。窃盗がおこなわれるような職場の秩序を改善し、維持する義務が会社にはあるといって良いでしょう。

具体的な対応としては(1)十分なヒアリング(2)行為者の特定(3)再発防止に向けた私物管理のルール作り(4)その周知──です。

刑事処罰や賠償請求が難しい場合でも、会社が適切に対応すれば、被害の再発を防ぎ、職場環境を守れます。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る