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「おじちゃんと結婚する!」姪っ子の淡い恋心、かなう日はやってくる?
2016年05月26日 00時00分

「禁断の愛」と聞いて、何を思い浮かべますか。妻子ある男性との密会、学校の先生と生徒の恋など、様々なケースを考えることができそうですが、その中の一つが、親戚や兄弟との恋愛ではないでしょうか。

ある20代の女性は小学生のころ、当時40を過ぎていた叔父に淡い恋心を抱き、「おじちゃんと結婚する!」と何度も迫っていたそうです。「本気で結婚できると思っていました」と苦笑いしながら当時を振り返っています。

冗談で済めばいいのですが、ネットのQ&Aサイトには、18歳の姪に本気で好かれて困惑している26歳男性の投稿がありました。姉から「どうもウチの娘あんたに気があるみたいなのよね」と連絡があったそうです。姪は「好きになっちゃったんだから仕方ないじゃない!」と言って、困らせているそうです。

おじと姪の結婚など近親者との結婚は法律上、どこまで認められているのでしょうか。田村ゆかり弁護士の解説をお届けします。

「禁断の愛」と聞いて、何を思い浮かべますか。妻子ある男性との密会、学校の先生と生徒の恋など、様々なケースを考えることができそうですが、その中の一つが、親戚や兄弟との恋愛ではないでしょうか。

ある20代の女性は小学生のころ、当時40を過ぎていた叔父に淡い恋心を抱き、「おじちゃんと結婚する!」と何度も迫っていたそうです。「本気で結婚できると思っていました」と苦笑いしながら当時を振り返っています。

冗談で済めばいいのですが、ネットのQ&Aサイトには、18歳の姪に本気で好かれて困惑している26歳男性の投稿がありました。姉から「どうもウチの娘あんたに気があるみたいなのよね」と連絡があったそうです。姪は「好きになっちゃったんだから仕方ないじゃない!」と言って、困らせているそうです。

おじと姪の結婚など近親者との結婚は法律上、どこまで認められているのでしょうか。田村ゆかり弁護士の解説をお届けします。

●結婚が許されるのは「いとこ」以上に遠い場合

結論から言うと、おじと姪が結婚することはできません。結婚できるかどうかについて、民法のルールは複雑なので、基本的なところから説明しましょう。

まず、ひとくちに「親族」といっても、結婚できるかできないかは「血のつながり」によって大きく変わってきます。血のつながりのある関係のことを「血族」と呼びます。なお、養子は、血のつながりはありませんが、法律上は血族として扱われます。

親と子、祖父母と孫・・・といったタテの血族関係は「直系血族」と呼ばれています。直系血族同士の結婚は、すべて禁止されています。一方、兄妹やおじ、おば、おい、めいなど、直系以外の血族関係は「傍系血族」と呼ばれ、血のつながりが遠ければ結婚できます。

血のつながりが近いか遠いかについては特殊な数え方があって、子→親の関係を「1親等」という単位で数えます。兄と妹の関係は「2親等」です。いったん親を経由し、兄→親(1親等)→妹(2親等)となるためです。つまり、兄弟姉妹は2親等、おじ、おば、めい、おいは3親等です。

傍系血族同士の結婚が許されるのは、「4親等」以上となります。具体的には、「いとこ」以上に遠い場合ですね。いとこが4親等なのは、自分→ 親(1親等)→祖父母(2親等)→親のきょうだい(3親等)→いとこ(4親等)となるためです。

ただ、例外的に、養子は「3親等」以内の傍系血族とも結婚できます。 今回のケースはおじと姪という傍系血族同士で、3親等のため、結婚することはできないという結論になります。

●親同士の再婚で義理のきょうだいとなった男女は結婚できる?

ところで、近親者との結婚については、義理のきょうだい同士で結婚できるかどうかが話題になることもあります。例えば、親の再婚で義理の兄妹となった男女は結婚できるのでしょうか。

さきほどの「血族」とは別に、結婚(婚姻)をきっかけにできる関係のうち、自分と配偶者の血族との関係あるいは自分の血族と配偶者との関係は 「姻族(いんぞく)」と呼ばれます。

姻族関係は、必ず配偶者がからみます。こちらにも、直系と傍系があります。

夫からみた場合、妻の父母や祖父母といった直系血族が「直系姻族」となります。また、妻の兄弟やおじ、おばなどの傍系血族が「傍系姻族」となります。

「直系姻族」とは結婚できません。たとえ姻族関係が解消された後でも、結婚は不可能です。たとえば、ある夫婦が離婚した後に、元夫が、元妻の連れ子(義理の娘)と結婚しようとしても、認められません。

一方で、「傍系姻族」同士は、結婚することができます。つまり、親の再婚をきっかけに義理の兄妹になった男女は、配偶者のからまない関係です。したがって、2人は身分関係上は他人のため、問題なく結婚できるというわけです。

(弁護士ドットコムライフ)

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