15583.jpg
「白票」を呼びかける謎のサイトーー白紙でも政治への「意思表示」と言えるのか?
2014年12月06日 11時52分

第47回衆議院選挙が12月2日に公示され、14日の投開票に向けて12日間の戦いが繰り広げられている。こうした中、選挙での「白票」投票を呼びかける謎のサイトがネット上で話題となっている。

話題となっているのは「mirai-senkyo.com」というドメインに設けられたサイト。制作者は「日本未来ネットワーク」と名乗っている。そのページの一番上には「黙っていないでNO!と言おう」という呼びかけ文があり、次のような説明が記されている。

「投票所にいって、何も書かない『白票』を投じるのは投票したい立候補者がいないという意思表示です。その1票にも、今の社会を変える力があります」

このように「白票」の投票を呼びかけているのだ。白票とは、投票用紙に誰の名前も書かずに投票することだが、票数の集計でどういう扱いをされるのだろうか。また、白票を投じることは、本当に政治に対する「意思表示」になるのか。国会議員の政策担当秘書の経験がある中田圭一弁護士に聞いた。

第47回衆議院選挙が12月2日に公示され、14日の投開票に向けて12日間の戦いが繰り広げられている。こうした中、選挙での「白票」投票を呼びかける謎のサイトがネット上で話題となっている。

話題となっているのは「mirai-senkyo.com」というドメインに設けられたサイト。制作者は「日本未来ネットワーク」と名乗っている。そのページの一番上には「黙っていないでNO!と言おう」という呼びかけ文があり、次のような説明が記されている。

「投票所にいって、何も書かない『白票』を投じるのは投票したい立候補者がいないという意思表示です。その1票にも、今の社会を変える力があります」

このように「白票」の投票を呼びかけているのだ。白票とは、投票用紙に誰の名前も書かずに投票することだが、票数の集計でどういう扱いをされるのだろうか。また、白票を投じることは、本当に政治に対する「意思表示」になるのか。国会議員の政策担当秘書の経験がある中田圭一弁護士に聞いた。

●白票は集計のときにどう扱われる?

「白紙投票、すなわち白票を投じた場合の効力について、公職選挙法に直接の規定はありませんが、記号等を書いた場合と同様に『無効』と解されています。

もっとも、無効票の数もカウントされ、総投票数の中には含まれます。投票率には影響を与えます」

このように中田弁護士は説明する。こうした呼びかけは、法に触れたりしないのだろうか。

「たしかに『白票』の投票を呼びかける行為が選挙運動にあたり、『公職選挙法に抵触するのでは?』という疑問が生じるかもしれませんが、そのようなことはありません。

『選挙運動』とは何かについて、明確な定義が公選法に定められているわけではありませんが、判例から、『特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為』と考えられています。

そして、『白票』の投票を呼びかける行為は、『特定の候補者の当選を目的』としていません。したがって、公職選挙法の規制を受ける『選挙運動』にはあたらないことになります」

●白紙では「意思表示」は明らかにならない

では、問題のサイトが呼びかけるように、白票は、政治に対する意思表示といえるのか。

「白票を投じる趣旨が、立候補者の中で投票したい人がいなかったという意思表示なのか、今の選挙の仕組みそのものを否定したい意思表示なのか、それとも単なるいたずらなのか。

その趣旨はいろいろ考えられますが、残念ながら白紙である以上、その人の意思表示は明らかになりません。

当たり前のようですが、現在の選挙という仕組みの中で政治的意思表示を行うには、特定の候補者の名前を記入して、有効な票を入れるのが最善と考えます」

中田弁護士はこう指摘していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る