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亀岡死傷事故、裁判は「第2審」へ 量刑は変更されるべきか?
2013年03月13日 17時49分

京都府亀岡市で、集団登校していた小学生らに軽乗用車が突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故。軽乗用車を運転していた少年は、自動車運転過失致死傷と道路交通法違反(無免許運転)の罪に問われ、今年2月19日に京都地裁で「懲役5年以上8年以下」の不定期刑の判決を言い渡された。

こう判決は、検察の求刑(懲役5年以上10年以下)より軽いものだったことから、遺族たちは「求刑を下回ったことは理解できない」と憤りの声をあげ、京都地検も2月28日、判決を不服として、大阪高裁に控訴した。一方、弁護側は3月1日に「量刑が重すぎる」として控訴した。

この事故は、「第2審」である大阪高裁で再び審理されることになるが、量刑は判断は変更されるべきだろうか。「懲役5年以上8年以下」という地裁判決よりも重くなるべきだろうか。それとも軽くするべきだろうか。あるいは、地裁判決が妥当なのだろうか。弁護士ドットコムに登録している弁護士に意見を聞いた。

今回のアンケートに回答した22人の弁護士のうち9人が、<地裁判決より重くすべき>と回答した。次いで多かったのが、<地裁判決を維持すべき>という意見で、8人が支持した。残りは、<いずれとも言えない>という意見が5人、<地裁判決より軽くすべき>は0人となった。

アンケートの「地裁判決より重くすべき」という意見では、「結果の重大性」や「被害者・遺族感情」などを根拠にあげる弁護士が多かった。「地裁判決を維持すべき」という意見の根底には、「少年法の理念」があり、「少年にやり直しの機会を与える必要がある」という主旨の理由が見られた。

この事故をめぐては、少年が無免許で運転していたことから、法定刑の重い危険運転致死傷罪の成立要件に「無免許運転」を盛り込むよう求める議論が起こっている。また、求刑よりも軽くなった地裁判決に対しても、「一般的な感覚からズレている」という批判の声も少なくない。このように厳罰を求める社会の声と法的な判断がぶつかり合う場面では、もう一度立ち止まって、深い議論をする必要があるのではないだろうか。

京都府亀岡市で、集団登校していた小学生らに軽乗用車が突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故。軽乗用車を運転していた少年は、自動車運転過失致死傷と道路交通法違反(無免許運転)の罪に問われ、今年2月19日に京都地裁で「懲役5年以上8年以下」の不定期刑の判決を言い渡された。

こう判決は、検察の求刑(懲役5年以上10年以下)より軽いものだったことから、遺族たちは「求刑を下回ったことは理解できない」と憤りの声をあげ、京都地検も2月28日、判決を不服として、大阪高裁に控訴した。一方、弁護側は3月1日に「量刑が重すぎる」として控訴した。

この事故は、「第2審」である大阪高裁で再び審理されることになるが、量刑は判断は変更されるべきだろうか。「懲役5年以上8年以下」という地裁判決よりも重くなるべきだろうか。それとも軽くするべきだろうか。あるいは、地裁判決が妥当なのだろうか。弁護士ドットコムに登録している弁護士に意見を聞いた。

今回のアンケートに回答した22人の弁護士のうち9人が、<地裁判決より重くすべき>と回答した。次いで多かったのが、<地裁判決を維持すべき>という意見で、8人が支持した。残りは、<いずれとも言えない>という意見が5人、<地裁判決より軽くすべき>は0人となった。

アンケートの「地裁判決より重くすべき」という意見では、「結果の重大性」や「被害者・遺族感情」などを根拠にあげる弁護士が多かった。「地裁判決を維持すべき」という意見の根底には、「少年法の理念」があり、「少年にやり直しの機会を与える必要がある」という主旨の理由が見られた。

この事故をめぐては、少年が無免許で運転していたことから、法定刑の重い危険運転致死傷罪の成立要件に「無免許運転」を盛り込むよう求める議論が起こっている。また、求刑よりも軽くなった地裁判決に対しても、「一般的な感覚からズレている」という批判の声も少なくない。このように厳罰を求める社会の声と法的な判断がぶつかり合う場面では、もう一度立ち止まって、深い議論をする必要があるのではないだろうか。

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