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司法修習、新たな「給費制」に歓迎の声、「安心して専念できる環境を」
2016年12月19日 21時04分

法務省は12月19日、司法修習の期間中、修習生に対して生活費などを支給する制度を2017年から導入する方針を発表した。発表を受け、当事者の立場から給費制の復活を求めてきた団体、ビギナーズ・ネット代表の萱野唯弁護士は、弁護士ドットコムニュースに次のようなコメントを寄せた。

法務省は12月19日、司法修習の期間中、修習生に対して生活費などを支給する制度を2017年から導入する方針を発表した。発表を受け、当事者の立場から給費制の復活を求めてきた団体、ビギナーズ・ネット代表の萱野唯弁護士は、弁護士ドットコムニュースに次のようなコメントを寄せた。

●借金をしなくても安心して修習に専念できるように

「司法修習生に対して何らの給付もなされていない現状に比べれば、一定の給付がなされることは基本的には歓迎すべきものと考えています。まずはご尽力いただいた国会議員の先生方やご支援いただいた多くの方々に感謝したいと思います。

もっとも、修習生は修習専念義務を負っており、公務員に準じた身分として兼業・兼職も原則として禁止されているにもかかわらず、何らの生活保障もなく無給状態に置かれていたことが、国内の他の制度や諸外国の制度との比較でも極めて異例でした。

この間、法曹志望者が激減し、経済的事情で夢を諦めた方も多くいました。国の対応が早かったとは言えないでしょう。

修習生は配属地も最高裁に指定され自由に選択することはできず、引越費用や住居の初期費用等も必要になります。今後は、このような費用も含め、借金をしなくても安心して修習に専念できるよう、運用面での措置がなされることに期待したいと思います。

また、6年間の無給世代の修習生について、世代間の不公平を是正すべく、国や日弁連も知恵を絞ってほしいと考えています」

●2011年から「貸与制」に移行していた

司法試験の合格者が法曹資格を取得するためには、1年間「司法修習」という実務研修を受けた後、「二回試験」と呼ばれる試験に合格する必要がある。修習期間中の生活について、かつては修習中に国が給与を支払う「給費制」がとられていたが、2011年の合格者から、国がお金を貸す「貸与制」に移行していた。

修習生は司法修習に専念する義務があり、アルバイトは原則禁止だ。法科大学院の奨学金と合わせて数百万円の借金を背負う修習生や、そもそも修習を受けることをあきらめる合格者もいた。そのため、修習生の経済的支援を求める声があがっていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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