15688.jpg
たこ焼き屋で「カレーないの?」 メニューにない料理をしつこく注文する客、罪に問われる?
2020年07月19日 08時50分

世の中には、店のメニューにない料理を注文する客がいるようだ。

弁護士ドットコムに寄せられた相談によると、その「たこ焼き屋」には、いつも「うどんをくれ」「カレーはないのか」などと絡んでくる客がいるという。

別の居酒屋店員は、ブログで「◯◯はないの?」「簡単なんだし作ってよ」と、メニューにない頼む客に対する愚痴をつづっている。

常連客になら、そんな無茶振りに対応する店はあるかもしれないが、さすがに非常識に映るケースがほとんどだろう。

こんな客、罪に問われないのだろうか。好川久治弁護士に聞いた。

世の中には、店のメニューにない料理を注文する客がいるようだ。

弁護士ドットコムに寄せられた相談によると、その「たこ焼き屋」には、いつも「うどんをくれ」「カレーはないのか」などと絡んでくる客がいるという。

別の居酒屋店員は、ブログで「◯◯はないの?」「簡単なんだし作ってよ」と、メニューにない頼む客に対する愚痴をつづっている。

常連客になら、そんな無茶振りに対応する店はあるかもしれないが、さすがに非常識に映るケースがほとんどだろう。

こんな客、罪に問われないのだろうか。好川久治弁護士に聞いた。

●犯罪に発展することも

――そもそもメニューにない料理を注文するのは問題ないでしょうか?

メニューにない料理を注文する行為自体は、ただちに法的に問題があるとはいえません。店によっては、メニューに載っていない「裏メニュー」を用意しているところもあります。

メニューは、あくまでも店が注文を受ければすぐに提供できる料理を掲載しているものと考えれば、客がメニューにない料理を注文しても、店が承諾して料理の提供に応じれば、その時点で飲食物の提供契約が成立しますので、何の問題もありません。

――店に断られても、しつこく注文する客は?

料理の注文は、契約の申込みにあたりますので、店側が提供できないと断れば、料理を提供する契約は成立しません。店側に、メニューにない料理の提供に応じる義務はないので、断られてもしつこく注文する行為は、店に対する迷惑行為となり、エスカレートして暴力や脅迫に発展すれば、強要未遂罪が成立する可能性があります。

そこまで至らなくても、店側が困惑しているのに注文をやめず、大声で怒鳴ったり、言いがかりや嫌がらせに及んだりすると、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。最近SNSなどでもみられる、ドッキリやモニタリングなどの悪戯や検証目的の冗談であっても、店が承知しなければ、威力業務妨害罪や、軽犯罪の一つである悪戯による業務妨害罪が成立することもあるでしょう。

店をひいきにしている常連さんがこのような迷惑行為に及ぶとは考えられませんし、そもそも店が提供できないと断っているのにしつこく注文を続けるのは、尋常ではありません。店に対して恨みや悪意があるか、酔っ払って分別がつかないなど、まともに対応できる状況ではありませんので、目に余るようであれば、110番通報をするのが良いかと思います。

――たこ焼き屋で、カレーを注文する客はどうでしょうか?

たこ焼き屋が、カレーやうどんを提供しているところもあるかもしれませんが、店構えを見ればサービスの提供がないことが明らかであるのに、カレーやうどんの提供を繰り返し求めてくるなら、やはり常識が通用するような客ではありませんので、営業に支障が生じるようならば、110番通報をするのがよいでしょう。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る